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「開巻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

開巻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
小さいアルバム」より 著者:太宰治
の骨だか見当も何もつかぬ筈《はず》です。考えてみると、うすら寒いアルバムですね。開巻、第一ペエジ、もう主人公はこのとおり高等学校の生徒だ。実に、唐突《とうとつ》....
蘭学事始」より 著者:菊池寛
三人の手ほどきが済むと、四人は初めて、ターヘルアナトミアの書に向った。 が、開巻第一のページから、ただ茫洋として、艫舵《ろだ》なき船の大洋に乗出《のりいだ》....
散華」より 著者:太宰治
、太宰のさきには死なれないね。どんな事を言われるか、わかりゃしない。」 私は、開巻第一頁に、三田君のあのお便りを、大きい活字で組んで載せてもらいたかったのであ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
経文を手に取ると若侍は無意識に開けた。 「壇上有金色孔雀王、其上有白色蓮花」と、開巻第一に記されてあったが、それは真言孔雀経であった。 「不思議な人物、何者であ....
正義と微笑」より 著者:太宰治
りすぎてもいけない。 微笑もて正義を為せ! 爽快な言葉だ。 以上が僕の日記の開巻第一ペエジ。 それからきょうの学校の出来事などを、少し書こうと思っていたの....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。然し落ち着きは中々出来ないものです。村居七年目に出した「みみずのたはこと」は、開巻第一に臆面もなく心のぐらつきを告白して居ます。永住方針で居たが、果して村に踏....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
れたのであった。その他主なるものの数種を挙げるならば、 坪内逍遥訳、リットン「開巻悲憤概世士伝」、関直彦「春鶯囀《しゅんおうてん》」、井上勤訳、ジュール・ベル....
鉄面皮」より 著者:太宰治
ろ、つとめて虚飾を避けてありのまま、あなたにお知らせ申し上げます。 というのが開巻第一頁だ。どうも、自分の文章を自分で引用するというのは、グロテスクなもので、....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
高御座をすえたのが、富士山であったことは、初代|一立斎広重の『絵本江戸土産』初篇開巻に掲出せられて、大江戸の代表的風光として、知られていたのであった。私が二、三....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
俳諧連句の句々の連珠のようなモンタージュによって次々に展開進行して行くのである。開巻第一に現われる風の草原の一シーンから実に世にも美しいものである。風にゆれる野....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
八年の過去にあり、最初の発表はそれより一年後の大正二年。分量は前巻にも申す通り、開巻「甲源一刀流の巻」よりこの「山科の巻」に至るまで二十六冊として一万頁に上り、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
あひとつお読み下さいまし」 と言って、武州刎村の百姓弥之助と名乗る男が、大腹帳の開巻第一を開いて、慢心和尚の前に示しました。 和尚が受取って、それを読んでみる....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
をも知らず、日用の手紙を書くこともむずかしくして、みだりに高尚の書を読まんとし、開巻五、六葉を見てまた他の書を求むるは、元手なしに商売をはじめて日に業を変ずるが....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
巻まで連続して春夏秋冬の四時《しじ》に渉《わた》る隅田川両岸の風光を一覧せしむ。開巻第一に現れ来《きた》る光景は高輪《たかなわ》の夜明《よあけ》なり。淋《さび》....
偶言」より 著者:津田左右吉
ひきたたぬ。けれども、平安朝の貴族の間にはそれがよほど発達していた。『枕草紙』の開巻第一「春は曙、やうやう白くなりゆく山際、すこしあかりて、紫だちたる雲の細く棚....