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開放的
「開放的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
開放的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野狐」より 著者:田中英光
ことに刺激を感じ、交合を好む男女がいるそうだが、私はふたりだけの時は、思い切って
開放的で恥知らずの交合を好む癖、誰かに見られていると思うと、それだけで、まるで勇....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
古いことでなく、土地の料理店などが、家の寂れを苦にしての思立ちだけに、両国のほど
開放的ではないが、それでも澄み切った夏の夜空に、勇ましい響きを聞く時は、何となく....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
主義ともいうべきものを固持する。無論この体系は静止した体系でなくてはならぬから(
開放的体系や動的体系はナンセンスだ)、さっき見た連関によって、過程としての方法を....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
とは彼によれば、空間曲率 K = 0 であり且つ空間の結合(Konnex)関係が
開放的(offen)――無限――であることを意味する、即ち之はユークリッド性を有....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
祭の鴉どもに啄いて貰うために、表側に懸けた彼等自身の心臓で御座いと云わぬばかりに
開放的にかつ生々と働いていた。 が、間もなく方々の尖塔(の鐘)は教会や礼拝堂に....
「わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
。だいたい屍体に対する特殊な感情や態度が微塵もないので、罪悪的な暗さは全くない。
開放的で、大らかで、私が健康を感じたのは私が落ちぶれたせゐではないのである。私を....
「わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
を借りるために始めて訪ねてきた時のことで、そのとき男は呆れるぐらゐ陽気であつた。
開放的で豪快で何一つ心に隠しておくことの出来ないお喋りといふ風であり、彼の経てき....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
の芝生は鉄のテスリをめぐらしただけで、まるで公園のように道行く人に見晴らしのきく
開放的なものであった。およそ秘密くさいところがなかった。 「なるほど、このように....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
心臓の鼓動がはずんでいるが、かの女はそうした自分の気持を、速やかに言葉に表せる、
開放的な性質を持っている。 「いや、そんなにご覧になっちゃ。テレてしまうわ。」と....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
なのかも知れないな。 実際、長崎というところは、開港場であって、それに相応した
開放的な気風もたしかにあるにはあるのだが、そのアベコベの鎖国的、閉鎖的な気風が少....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
ける狂気の事実を考えさせるものがあるように思う。 彼の一生の行跡では喧躁なほど
開放的なものと、蓋を閉じた貝のように陰気なものとが交錯していて、一見して彼ほど激....
「都会の中の孤島」より 著者:坂口安吾
だ。 アナタハンには法律も刑事も存在しなかったから、各人の心理は我々とちがって
開放的で、そこにおのずから差があった筈だと見るのもうがちすぎているようだ。 三....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
うしてそこに、短歌の行くべき道があるのを見出した様に考えている。 石原純は、更に
開放的に、一行の語数の極めて不同な句の、四句・五句、時としては六句に及ぶ詩に於て....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
るものは一ツ残らず敏感なルパンの目をもって監視した。 ドーブレクの生活は極端に
開放的であった。扉という扉は閉じてあった事が無い。訪問客は一人もない。その生活は....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
りまわして、その幌飾りの縁が青で、それが八月の微風に涼しげにそよいでいた。極めて
開放的で、無雑作に黒と赤との板枠をはめた座席の上の空間には細い四本の柱が立ってい....