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開港
「開港〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
開港の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
すめ」「らしゃめん」というような言葉さえそのはしたない言葉の中には交じっていた。
開港場のがさつな卑しい調子は、すぐ葉子の神経にびりびりと感じて来た。
何しろ葉....
「或る女」より 著者:有島武郎
気の中にあざやかにならんでいた。その間に英国の国旗が一本まじってながめられるのも
開港場らしい風情《ふぜい》を添えていた。
遠く海のほうを見ると税関の桟橋に繋《....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
で来て、イギリスが一艘、アメリカが一艘、いずれも錨をおろしました。 幕府はもう
開港の運びになっているんですから、戦争になるような心配はありません。軍艦の水兵ら....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
ら、代々の慣習によって中学卒業程度で家督を護らせられている壮年者もある。 横浜
開港時代に土地開発に力を尽し、儒学と俳諧にも深い造詣を持ちながら一向世に知られず....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
夷の論盛んに起こるや、全国の志士群起してこれに応ず、これに反対して皇武合体を唱え
開港貿易を説く者、少数といえどもなお諸方に割拠してもって一の論派たることを得たり....
「老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
しなかった。――少くも覚悟しておかねばならない敵は三つあるのだ。自分が井伊大老の
開港政策を是認し踏襲しようとしているために、国賊と罵り、神州を穢す売国奴と憤って....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
で、今度は四隻の軍艦を八、九隻に増して来て、武力にも訴えかねまじき勢いで、幕府に
開港を迫っているとのうわさすら伝わっている。全国の諸大名が江戸城に集まって、交易....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
えていた。 「そりゃ、十一屋さん、この前にわたしたちが出て来ました時は、まだ横浜
開港以前でしたものね。」 「さよう、さよう、」と隠居も思い出したように、「あれか....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
港と、全国商業の中心地とも言うべき大坂の都市をも開かせることになった。実に兵庫の
開港はアメリカ使節ペリイがこの国に渡来した当時からの懸案であり、徳川幕府が将軍の....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
そうして間もなく死んでしまうのである。 時世は慶応元年で、尊王|攘夷、佐幕
開港、日本の国家は動乱の極、江戸市中などは物情騒然、辻切、押借、放火、強盗、等、....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
がい、西からはイギリスが支那を犯し、香港島を占領し、その余威を籍りて神国日本へ、
開港を逼ろうとして虎視眈々じゃ。……さらにイギリスの双生児ともいうべき、アメリカ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
パンが絶対に居ないのである。こういうところは実に長崎的々ですよ。黒船時代に於ける
開港場長崎の丸山の女性が、今日の世態風俗に照り合して元公爵夫人に似ているか、映画....
「西航日録」より 著者:井上円了
ンに着す。また快晴なり。暑気、わが九月彼岸ごろに似たり。 ホンコンは東洋第一の
開港場にして、家屋の広壮、市街の繁盛、ほとんどサンフランシスコに譲らず。ただその....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
うるに、日本人拒絶のために旅行の非常に困難なりというを聞きて、南アフリカの視察は
開港場だけにとどむることに決定せり。喜望峰より南米に渡らんとするに、直航の客船な....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
う口癖に言っていたということを、よく幼時の私に話して聞かせました。その郷士は横浜
開港などにも関係し、相当、危険な幕を潜った体験を持った人だそうです。 「首の座に....