開花[語句情報] » 開花

「開花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

開花の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
風の便り」より 著者:太宰治
自分は、その新しい芸術が、世界のどこの国よりも、この日本の国に於いて、最も美事に開花するのだと信じている。君たちと、君たちの後輩が、それを創るようになるだろうと....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
のは食糧事情であり、配給はいよいよ微力となった。過日の台風によって本年は稲が遅い開花期をやられて不作確実となり、朝鮮、台湾、満州を失ったのに加えて泣き面に蜂のて....
黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
がまた固くて容易に抜けなかった。そのために稲はひどく威勢を殺がれた。のみならず、開花期間もやっぱり煤煙が降り続いたので、風媒花の稲は滅茶滅茶だった。穂の長さは例....
続堕落論」より 著者:坂口安吾
歴史的カラクリが日本の観念にからみ残って作用する限り、日本に人間の、人性の正しい開花はのぞむことができないのだ。人間の正しい光は永遠にとざされ、真の人間的幸福も....
青春論」より 著者:坂口安吾
失われた時間というものも、生理に根ざした深さを持っているかに思われ、その絢爛たる開花の時と凋落との怖るべき距りに就て、すでにそれを中心にした特異な思考を本能的に....
日本文化私観」より 著者:坂口安吾
茶室的な不自然なる簡素を排して、人力の限りを尽した豪奢、俗悪なるものの極点に於て開花を見ようとすることも亦自然であろう。簡素なるものも豪華なるものも共に俗悪であ....
母の上京」より 著者:坂口安吾
がめつたにないやうになつたが、急に大人びて、会ふたびに成熟して行く。それは植物の開花まぎはの恐るべき成熟の速度に似てゐた。夏川は外の娘の場合に未だ曾てこのやうな....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
は実を結ぶ手段ではあるが、実は花を咲かすための手段ともとれる。恋愛はやはり人生の開花であると見るべきだ。女性の造化から与えられているさまざまの霊能が恋愛の本能の....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
逆立ちのこと 仮りにもし、それが画中の風物であるにしても、遠見の大観覧車と云う開花模様はともかくとして、その点晴に持って来たのが、ものもあろうに金糸銀糸の角眩....
純粋戯曲への道」より 著者:岸田国士
矢代静一君の城館をみて、私は非常に新鮮なものと、極めてゆたかな才能の開花のようなものを認めた。 その新鮮さには戯曲形式への不敵な挑戦が感じられ、テ....
今日の感想」より 著者:坂口安吾
。 ……戦国時代のあの暗澹たる戦乱の一番おしまいに至って桃山文化という絢爛たる開花があったり、朝鮮へ遠征軍を送るような奇妙な底力があったり、だから僕は百年戦争....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
しひらいて入り、金の船は海を渡って来たる)と記し、あるいはまた「金枝時発枝銀樹日開花」(金の枝は時に枝を生み、銀の樹は日々花を開く)と記し、あるいはまた「招財進....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
いに、生活そのものが成熟する時を待たねばならなかった。そして、そのような文化上の開花期が日本列島の上におとずれたのは、飛鳥朝から大化改新を中にして近江朝へかけて....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
へ創造工夫の種子を蒔いて、折角掴んだ理想美を誰にも解りやすく摘み取れるよう、成長開花せしむべきでありました。それをしないで肥えた土地、すなわち実りと、早合点して....
春の大方山」より 著者:木暮理太郎
境内に人影も無い。鳥居をくぐると染井吉野や枝垂桜の交った一町余りの桜並木が八分の開花を見せて、稍紅の濃い葩からは、宵に降った雨の名残の雫がはらはらと滴っている。....