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閑事
「閑事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
閑事の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
己が真の意味において一代に伝わり、後世に伝わって、始めて我々が文芸に従事する事の
閑事業でない事を自覚するのであります。始めて自己が一個人でない、社会全体の精神の....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
けるので、残らず揃《そろ》えるまでには、なかなか手間取った。僕は暑中に似合わしい
閑事業として、なるべく時間のかかるように、気が向けば手にした本をいつまでも読み耽....
「語られざる哲学」より 著者:三木清
は論理的、普遍的を取扱う哲学は、むしろ有害なものであるか、高々無聊なる時間をやる
閑事業であるかに過ぎないであろう。しかしながらこれに反して自分自らフィロゾフィー....
「能とは何か」より 著者:夢野久作
ねば結局喰えない事になる。 芸というものは人間の仕事として最後のもので、無用の
閑事業中の無用の
閑事業である。その中でも亦、最高第一等の
閑事業と見られている能…....
「元日」より 著者:夏目漱石
た位のもので、要するに元日及び新年の実質とは痛痒相冒《つうようあいおか》す所なき
閑事業である。いくら初刷だって、そんな無駄話で十頁《ページ》も二十頁も埋られた日....
「野道」より 著者:幸田露伴
は明らかであった。そして名宛の左側の、親展とか侍曹とか至急とか書くべきところに、
閑事という二字が記されてあった。
閑事と表記してあるのは、急を要する用事でも何んで....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
かの徒らに暗中に摸索し神学的虚構物につきて好事的詭弁を弄するが如きは、正に愚人の
閑事業たるに過ぎない。われ等は飽まで、現実の生活に即して教を樹てる。要約すれば左....
「「自然」」より 著者:豊島与志雄
のものは、あくまでも天然のままでありたい。 料理のことなどを云々するは、閑人の
閑事であるかも知れない。然し、吾々の生活のことを顧みる時、天然の美味を変質するた....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
の編纂にたずさわっていた。そのうちに戦争が追々不利に陥ったとき、市では市史編纂を
閑事業として、用捨なく予算を削ってしまった。乗杉はそういう市の処置を歎いていたが....
「文化史上より見たる日本の数学」より 著者:三上義夫
門職業というような形になってくる。生存の競争は次第に激しくなり、もはや遊食階級の
閑事業たることを許さぬ。従って官立大学が自然に中心になるようになった。数学におい....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
意もあったであろうに、私は漸くこの頃になってそれに気付いたのである。いかに閑人の
閑事業であったとはいっても、あまりにその散漫であるのに私は恥じている。 今一つ....