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閑文字
「閑文字〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
閑文字の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「想片」より 著者:有島武郎
してもそうあらねばならぬ当然な心持ちにすぎないと思っている。
すでにいいかげん
閑文字を羅列したことを恥じる。私は当分この問題に関しては物をいうまいと思っている。....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
を小規模ながら写してあるといった。 「室町も末になって、乱世の間に連歌なんという
閑文字が弄《もてあそ》ばれたということも面白いことですが、これが東国の武士の間に....
「文芸と道徳」より 著者:夏目漱石
ないが、とにかくこっちから頼みはしないので、先方から勝手に寄こすくらいの酔興的な
閑文字すなわち一種の意味における芸術品なのだから、もし我々の若い時分の気持で書く....
「鰊漁場」より 著者:島木健作
押したまでのことだった。しかしその契約書の内容というものが、決して一片の形式的な
閑文字ではなくて、どんなに密接な関係において彼らの生活に直接結びついているもので....
「一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
なんらかの新しい転機を見いだしはしないだろうか。 小説や風聞録のようないわゆる
閑文字について言われる事は、実は大多数の読者にとって、他の大部分のいわゆる重要記....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
ーションを求めて奇を弄するかに迷わざるを得ないのである。 一方では俳諧を無用の
閑文字と考える風がますます盛んである。俳諧は日本文学の最も堕落したものだと生徒に....
「十六、七のころ」より 著者:永井荷風
したことがあった。もしこの事がなかったなら、わたくしは今日のように、老に至るまで
閑文字《かんもじ》を弄《もてあそ》ぶが如き遊惰《ゆうだ》の身とはならず、一家の主....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
智識の研究を閑却してヤレ詩を作るの歌を詠《よ》むのあるいは俳句を案ずるのと無用な
閑文字《かんもんじ》に脳漿《のうしょう》を絞《しぼ》っているが、そんな事は専門家....
「文妖伝」より 著者:田中貢太郎
くとなって、もう鰻屋に往くのが厭になってしまった。それはその日の夕方、己が夕刊の
閑文字として連載している店頭のぞ記と云うような記事の中に、そこのことを書いてやる....
「それから」より 著者:夏目漱石
と書いて、あとには京都の花がまだ早かったの、急行列車が一杯で窮屈だったなどという
閑文字《かんもじ》が数行|列《つら》ねてある。代助は封書を巻きながら、妙な顔をし....