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「閑静〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

閑静の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
った。寺は後ろの松林の間に凪《な》いだ海を見下《みおろ》している。ふだんは定めし閑静であろう。が、今は門の中は葬列の先に立って来た学校の生徒に埋《うず》められて....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
、宿も特に普通の旅館を避けて、町内の素封家《そほうか》N氏の別荘とかになっている閑静な住居《すまい》を周旋された。私がこれから話そうと思うのは、その滞在中《たい....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
、時雨勝《しぐれがち》な空を遮っていたから、比較的|町中《まちなか》らしくない、閑静な眺めには乏しくなかった。が、それだけにまた旦那《だんな》が来ない夜《よ》な....
野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
て、漸《ようや》く、見つけた家は、人通りの少ない横町にあった。が、想像したほど、閑静《かんせい》な住居《すまい》でもないらしい。昔通りのくぐり門をはいって、幅の....
路上」より 著者:芥川竜之介
。 十六 俊助《しゅんすけ》の下宿は本郷森川町でも、比較的閑静な一区劃にあった。それも京橋辺《きょうばしへん》の酒屋の隠居所を、ある伝手《....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
た処に。」 「滝でも落ちそうな崖です――こんな町中に、あろうとは思われません。御閑静で実に結構です。霧が湧いたように見えますのは。」 「烏瓜でございます。下闇で....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ルデット停留場に近いノーベル研究所にこの非凡な学者を訪ねた。めったに人通りもない閑静な田舎の試作農場の畑には、珍しいことに、どうも煙草らしいものが作ってあったり....
聖書の読方」より 著者:内村鑑三
が来世と其|救拯と審判とに就て書記す事は一々茲に掲ぐることは出来ない、若し読者が閑静なる半日を選び之を此種の研究に消費せんと欲するならば路加伝の左の章節は甚大な....
春昼」より 著者:泉鏡花
、主人は大方その方へ参っておりましょうが。 この久能谷の方は、女中ばかり、真に閑静に住んでおります。」 「すると別荘なんですね。」 「いやいや、――どうも話が....
古狢」より 著者:泉鏡花
……ご存じでしょう。」 「知ってるとも。――現在、昨日の午餉はあすこで食べたよ。閑静で、落着いて、しんみりして佳い家だが、そんな幽霊じみた事はいささかもなかった....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
ぶら病の保養がしたい、と言わっしゃる。 海辺は賑かでも、馬車が通って埃が立つ。閑静な処をお望み、間数は多し誂え向き、隠居所を三間ばかり、腰元も二人ぐらい附く筈....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
は冷りとしました。第一、目々が覚めたという柄じゃない、洗って来い、という面です。閑静だから、こっちへ――といって、さも待設けてでもいたように、……疏水ですか、あ....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
に映るのでした。 ――夜、寝床に入りますまで、二階屋の上下、客は私一人、あまり閑静過ぎて寝られませんから、枕頭へ手を伸ばして……亭主の云った、袋戸棚を。で、さ....
雪柳」より 著者:泉鏡花
軍をのみなかまに引込んだ処は、私も余程酔いました。――ま、ま、あなたへ、一杯。」閑静な席で、対坐に人まぜせぬ酒の中に、話がここへ来たころは、その杯を受けた筆者も....
活人形」より 著者:泉鏡花
吸も苦しげに見ゆるぞかし。こはこのままに去し難しと、泰助は亭主に打向い、「どこか閑静な処へ寝さして、まあまあ気を落着かしてやるが可い。当家へ入って来たのも、何か....