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間
「間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
10
この男の前を向いた顔。彼は、マスクに口を蔽《おお》った、人
間よりも、動物に近い顔をしている。何か悪意の感ぜられる微笑《びしょう》。
....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
」 「じゃ明日いらっしゃい。それまでに占って置いて上げますから」 「そうか。じゃ
間違いのないように、――」 印度人の婆さんは、得意そうに胸を反らせました。 「....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
に理解が行き届いている。が、菊池が兄貴らしい心もちを起させるのは、主として彼の人
間の出来上っている結果だろうと思う。ではその人
間とはどんなものだと云うと、一口に....
「狂女」より 著者:秋田滋
かい女は、可哀そうに、その悲しみに打ちのめされて、どッと床に臥就いてしまい、六週
間と云うものは譫言ばかり云いつづけていた。やがて、この烈しい発作がおさまると、こ....
「墓」より 著者:秋田滋
頭にまざまざと想い起させて、頻りにその感情を刺戟した。忿怒の身顫いが傍聴人たちの
間をつたわって行った。論告を了って検事が着席すると、 「死刑だ!」 「死刑にしろ....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
には知れぬ失意、劇しい苦悶がその動機となっての結果であろうか? こうした場合に世
間ではよく恋愛関係の悲劇を探したり想像してみたりする。あるいはまた、その自殺を何....
「初雪」より 著者:秋田滋
、見上げるような樅の木叢がたちはだかっていて、視界を遮っていたが、右のほうには隙
間があって、そこからは遠く農園のあたりまで伸びている、荒れ放題に荒れた野原が見え....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
らずしてその日の暮がたある宿に着きたり。宿に着きても油断せず、合客の様子、家居の
間取等に心づけ、下婢が「風呂に召されよ」と言いしも「風邪の心地なれば」とて辞し、....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ス・ファラデーといい、母はマーガレットと呼び、その第三番目の子で、ミケルという世
間には余り多くない名前であった。父のジェームスは鍛冶職人で、身体も弱く、貧乏であ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
バヌヴィルの館で狩猟が催されていた、その
間のことである。その秋は雨が多くて陰気だった。赧い落葉は、踏む足のしたでカサとの....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
そこは心地よいまどろみの国。 夢は半ばとじた眼の前にゆれ、 きらめく楼閣は流れる雲
間にうかび、 雲はたえず夏空に照りはえていた。 ――倦怠の城 ハドソン河の河幅....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
から三日たって、夕餉の時刻に、車大工とその女房が膳につこうとすると、子供がいつの
間にか家にいなくなっていることに気がついた。庭のなかを探してみたが、やッぱりいな....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
る意志とを有する、魂があるもの。それは何ものにも係りを持たない。その足と大地との
間には何のつながりも無い。地上にうごめく生命の一片。しかも、どこから来たのか、と....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
か好い、博多のモンとありゃ、一体誰じゃろうかい」等と、次兵衛達や、田舎芸術家達の
間に、サンザン首をひねらしたものである。 それから半歳も過ぎた頃、筆者はたまた....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
衛門という三人の百姓がありました。三人の百姓は少しばかりの田を耕しながら、その合
間に炭を焼いて三里ばかり離れた城下に売りに行くのを仕事にしておりました。 三人....