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間に合い
「間に合い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
間に合いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
この声に胆をつぶして、一目散に土蜘蛛は、逃げ出そうとしましたが、もうその時は
間に合いません。「噛め」はまるで電《いなずま》のように、洞穴の外へ飛び出して、何....
「或る女」より 著者:有島武郎
ちを見まもっている青年の姿を見た。
「まあおそくなってすみませんでした事……まだ
間に合いますかしら」
と葉子がいいながら階段をのぼると、青年は粗末な麦稈《むぎ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
や、」と、額を撫でて笑うのに前歯が露出。 「はははは、すなわち御持せのお車、早速
間に合いました。実は好都合と云って宜しいので、これと申すも、偏に御縁のごわります....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
酒もなし、麦酒もなし、肴もなし……お飯は。いえさ、今晩の旅籠の飯は。へい、それが
間に合いませんので……火を引いたあとなもんでなあ――何の怨みか知らないが、こうな....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
「先生。こんにちは」 「やあやあ、君たち、きましたね。やれやれ、私の仕事、やっと
間に合いました」 「ペンキを樽ロケットに塗ってどうなさるんですか」 「これはね、....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
い、どこへでもまいります。さっきも御注意しましたとおり、早く手配をしないと、もう
間に合いませんぞ」 おちつきのある中にも、帆村探偵は、雷洋丸に危機の近づいてい....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
も滑稽なことじゃ」 「なるほど、それは一大事でございますなあ。もう電報を出しても
間に合いませんでございましょうな」 「今からでは電報はもう……」といいかけて何か....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
き、方向探知器で、その電波の発射位置をたしかめて置いたか」 「は。それはとうとう
間に合いませんでした。しかし、その十五分前に来た電波で方向がしらべてありますから....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ずつに切りたいが、鋏というものもなし……庖丁ではどうであろう。まあ、手で裂いても
間に合いますわ。和尚さんに手伝って三方の上へ重ねました時、つい、それまでは不信心....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ない、よくない量見だ。」 と、法師は大きく手を振って、 「原稿料じゃ当分のうち
間に合いません。稿料|不如傘二本か。一本だと寺を退く坊主になるし、三本目には下り....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
寄せたが、 「しかし貴客、三人、五人こぼれますのは、旅籠でも承知のこと、相宿でも
間に合いませぬから、廊下のはずれの囲だの、数寄な四阿だの、主人の住居などで受ける....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
かけて雄太郎君を待兼ねていた。「今日、蜂須賀巡査と云うのに会って来たが、なかなか
間に合いそうな男だね」喬介が云った。「この事件で、あの男の昇給は間違いなしだよ」....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
って留めやしない。」 「その勢で――と燗はどうだろう、落葉を集めて。」 「すぐに
間に合いますよ。」 「さきへ、一口|遣つけてと。……ふーッ、さて、こう度胸の据っ....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
喰って彼女を止める暇がありませんでした。彼も慌ててそれに飛び乗ろうと試みましたが
間に合いません。彼女は彼の顔の前で扉をパタンと閉じてしまったんです。 チョッ、....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
まの御臨終です。それから喜んで頂きたいのよ。お兄さまが帰っていらしたの、御臨終に
間に合いました」 そこにいる私の手を握って、夫人は感謝の眼をむけた。一雄を誘拐....