間に合せ[語句情報] »
間に合せ
「間に合せ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
間に合せの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
い灰吹の中へなにがしかの志の金を入れて、工作部屋の入口の敷居に置き 「万事灰吹で
間に合せて行く。これが禅とか風雅というものかな」 と言って笑った。 「さあ、こ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
中の一つの琺瑯質の壁に蔦の蔓が張り付いている三階建の、多少住み古した跡はあるが、
間に合せ建ではないそのポーチに小さく貸間ありと紙札が貼ってあった。ポーチから奥へ....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
古手拭を解く)いま研いだのを持って来ました。よく切れます……お使いなさいまし、お
間に合せに。……(無遠慮に庖丁を目前に突出す。) 撫子 (ゾッと肩をすくめ、瞳を....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
。 それにね、そんな風で停車場へ迎いに行って、連れて来て、家も案内する、近所で
間に合せの買物まで、一所に歩行いて、台所の俎、摺鉢の恰好まで心得てるような関係に....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
、小さな、番小屋を建てて、そこに母様と二人で住んでいたので、橋は粗造な、まるで、
間に合せといったような拵え方、杭の上へ板を渡して竹を欄干にしたばかりのもので、そ....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
経て、源之助がさせられたのである。江戸末期に絶えんとした毒婦型・悪婆型を、一時、
間に合せに源之助がさせられたのだが、それが源之助の役柄を決定してしまったのであっ....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
那様、酷くお腹が痛みますなら、冷えると余計悪くなりますので、河原の石でも焼いて、
間に合せの温石でもお当てなさいますか」と親切は面に現われた。 「いや、それ程でも....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
しながら、彼はやはり淋しい気持で盃を嘗め続けた。 無事に着いた、屹度十日までに
間に合せて金を持って帰るから――という手紙一本あったきりで其後消息の無い細君のこ....
「米」より 著者:犬田卯
これで、並大抵のことでは……」 「でも、山十(町の肥料屋)なんどへ行けば、一時の
間に合せ位のものは、倉庫の中に昼寝しているっち話だねえか。どうだや、そいつを何と....
「流行唄」より 著者:兼常清佐
唄というものは人間の感情の一大要求である。冷い修身の文句や、むずかしい文学の歌に
間に合せなふしを付けたようなものくらいで、簡単にあっさり追払われるような、そんな....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
えます、胡瓜に並んで、野郎が南瓜で……ははは。 処へ、すぐ取次に出た女中が……
間に合せの小女。それに向い、改って、 (小石川白山の小山と申すものですが。) ....
「人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
する意味においていかがであろう。永代を期するこの大城郭の築造において、そんな所謂
間に合せが行われたとは信ぜられない。昔の所謂人柱とか人身御供とかいうお話は、多く....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
る服は、トランクのなかにあるのよりもいいのだ。トランクのなかのは、ほんとうはただ
間に合せの服で、母親が出発のすぐ前につくろわなければならなかったものだ。今、思い....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
夜のしらじら明けに国太郎は帰り支度をして二階の階段を降りて来た。河岸の商売を
間に合せるには、どうしてもこの時刻に出かけねば間に合わなかった。国太郎が階段を降....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ならないでしょう。まず差し当って、余りお金を無駄使いしないように有り合せのもので
間に合せて行くということが必要です。また他の娯楽や欲望はお金がかかりますが、人間....