間の宿[語句情報] » 間の宿

「間の宿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

間の宿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
蓬莱屋、左に伏見屋、桝田屋なぞの前後して新築のできた家々が両側に続いている。その間の宿場らしい道を登って行くと、親子|二人のものはある石垣のそばで向こうからやっ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
労が過ぎたもののように感じながら、食事を済ましてしまいました。そうして、無事に浅間の宿を立ち出で、松本の市中に入ると間もなく、兵馬は、仏頂寺弥助と、丸山勇仙とが....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
とがある。 関所へかかる前には行装も調えねばならぬ。それで箱根では、そこに近い間の宿で休んで、女は髪をあらためられる支度をして髷をほどき髪を洗っておく、父は旅....
山の湯雑記」より 著者:折口信夫
飲食店に見せて居た。だが此も、もうここ半月位で、多くの客の素通りして行く静かな山間の宿場に還るのだと思うと、内容は違うけれど、田山さんの作物にあった「再び草の野....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
の「昭和の十四年間」を八十八枚終りました。やっと肩のしこりがとれたようです。永い間の宿題で、本当に胸がスーとしました。十四年間の歴史は短いようですが決してそうで....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
が悲惨の神秘な牢獄《ろうごく》において室《へや》を同じゅうすることもあるのか。人間の宿命と呼ばるる一連の囚徒のうちにおいて、二つの額が、一つは素朴であり、一つは....
帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
性を認め、一キクの涙をそそぐ。かかる場合に、われわれは、罪を政治にぬりはせず、人間の宿命のせつなさに思いを寄せ、無限の愛を寄せ、せめても、その愛によって、高まり....
家なき子」より 著者:楠山正雄
前そこにいたが、それからはいなくなったと言った。その宿屋の亭主は、あいつには一週間の宿料の貸しがあるから、あの悪党、どうかしてつかまえてやりたいと言っていた。 ....
中庸」より 著者:坂口安吾
らば、なお救いのあろうものをと思った。 3 マリ子とその家族は土間の宿直室へ戻って住んだ。病人の弟だけは手製の寝台にふとんをしいてねているが、マ....
雪霊記事」より 著者:泉鏡花
峠、湯の尾峠を、前後左右に、高く深く貫くのでありまして、汽車は雲の上を馳ります。間の宿で、世事の用はいささかもなかったのでありますが、可懐の余り、途中で武生へ立....
裏切り」より 著者:坂口安吾
おかげで酒の酔いがさめたじゃないか。法本という人は、それはむろん欠点もあるし、人間の宿命としてのもろもろの悪は強く背負っていることは云うまでもないことだけど、し....
知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
おぼえぬ。田中という村にて日暮れたれば、ここにただ一軒の旅舎島田屋というに宿る。間の宿とまでもいい難きところなれど、幸にして高からねど楼あり涼風を領すべく、美か....
雪の武石峠」より 著者:別所梅之助
会の思いおよばぬものは、わが立つ所ならずして、いずれにあるのだろう、七時すぎ、浅間の宿についた。雪中十時間。私はかなり疲れていた。 差切新道、山清路 ....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
彼女が、その偽りの仮面を捨て、真実を、感情を示して呉れたように思えた。自分の永い間の宿念の力がとうとう彼女の仮面を剥がしたようにも思えた。そう思って来ると雷の音....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
そこへ泊った。ここの家にもあるが、何処の旅籠屋にも、馬舎が付きものになっていて人間の宿屋というより、馬の宿屋といったほうが近かった。 「お侍さま、表の二階だと、....