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「間居〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

間居の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
き》こんで行った。 一日外をあるいているお島は、夜になるとぐっすり寝込んだ。昼間居眠をしておる男の体が、時々|夢現《ゆめうつつ》のような彼女の疲れた心に、重苦....
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
ました。ところがやがて正午《ひる》頃になって、看病のために残っていた女中が一寸の間居なくなりますと、美留藻は急にむっくりはね起きて、枕元の眠り薬の瓶を取るが早い....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
に乗るようになった。窓から比較的ゆっくり街の門並の景色も見渡して行けるし、三四年間居ない留守中に、がらりと変った日本の男女の風俗も、乗合い客によって、手近かに観....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
二 「海辺の住民は今日漁業と採塩とによって衣食すると同じように、山間居住の小民にもまた樹木鳥獣の利をもって渡世を営ませたい。いずこの海辺にも漁業と....
」より 著者:島崎藤村
雪も楼梯を上って来て、豊世が置いて行ったという話を夫にした。正太が一つ場所に一週間居ると、必ともうそこには何か持上っている――正太はお俊にまで掛った――こんなこ....
時事雑感」より 著者:寺田寅彦
病の男が工場の大煙突の頂上に登って赤旗を翻し演説をしたのみならず、頂上に百何十時間居すわってなんと言ってもおりなかった。だんだん見物人が多くなって、わざわざ遠方....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
も頭髪は生えて寺男の姿になり、片方は坊主馴れて出家らしく口もきく此処に足掛三年の間居りますから、誰有って知る者はございません。爰にお話は二つに分れまして寛政九年....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。尺八の音までも目の敵《かたき》にしている様子だ。 この分で、双方が、相当の期間居残る間には、感情の行違いが嵩《こう》じて、風、楼に満つるといったような形勢に....
千世子(二)」より 著者:宮本百合子
子の好《す》いて居る詩人をすき、絵風を好み、話をすく、肇は話がはずめば随分も長い間居た。 けれ共|灯《ともし》のつくまでも千世子を相手にしゃべる事はあんまりし....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
っぱつまってからは、前の同じ大家の長屋が一軒あいた。そこへ机と椅子を持ちこんで昼間居りましたが、それでは落ち付かないのです。 夜はこの二階はいい心持ちです。全....
女大学評論」より 著者:福沢諭吉
の間は相互に干渉することなく、其自由に任せ其天然に従て、双方共に苦労を去ること人間居家の極意なる可し。 一 婦人は別に主君なし。夫を主人と思ひ敬ひ慎みて事《つ....
恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
恒藤恭は一高時代の親友なり。寄宿舎も同じ中寮の三番室に一年の間居りし事あり。当時の恒藤もまだ法科にはいらず。一部の乙組即ち英文科の生徒なりき....
美術学校時代」より 著者:高村光太郎
当時はあらゆる方面から見てまだまだ非常に幼稚なものであった。僕らはこうして五年間居たのであるが、結局何んにも分らない。いずれも中途半端なもので分らずに済んだ。....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
次に進みつつあったのであろうが、我らの眼にはそれほど著しく映らなかった。 その間居士の仕事はおよそ三つに分つことが出来た。その一つは俳句の仕事、その二は和歌の....
あの世の入口」より 著者:知里真志保
えった。男はいわれた通りにひきかえし、ぶじに穴の外へ出た。穴の中にはほんの僅かの間居たつもりだったのが、じつは三日も居たのだった。その後、約束通り、村の前方の岩....