間引き[語句情報] »
間引き
「間引き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
間引きの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「丸善と三越」より 著者:寺田寅彦
こういう物に対する好尚と知識のきわめて少ない自分は、反物や帯地やえりの所を長い時
間引き回されるのはかなりに迷惑である。そしてこれほどまでに呉服というものが人間に....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
っさい》のうちに退場した。人々は彼をも一度呼び出そうとした。歓呼はなお一、二分の
間引きつづいた。しかし彼はふたたび姿を見せなかった。管弦楽隊は立ち去りかけていた....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
に暖まった樹脂《やに》多い木立、などの匂《にお》いがしていた。クリストフは、数日
間引きつづいてジャックリーヌといっしょに暮らすうちに、しみじみとしたやさしい感情....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
活には雨戸が閉ざされていた。この秋の終わりにはそれがなおいっそう必要だった。三週
間引きつづいて絶え間なしに雨が降った。つぎには見通すことのできない一面の灰色の雲....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
なりはしなかったであろうか、個人に対する社会の罪、日々に新たにせられる罪、十九年
間引き続いた罪、となりはしなかったであろうか。
彼はみずから問うてみた。果して....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ナールの修道女らは、重々しい聖詩唱歌の調子で、純粋な平音楽で、そしていつも勤めの
間引き続いたいっぱいの声で、すべての祭式を歌っていた。弥撒《ミサ》の書に星印があ....
「女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
しい。 そういう商売上の事柄は、長谷川にとっては興味もなく、秋茄子の話や大根の
間引きの話の方が、よほど面白かった。 辰さんは不平を言った。 「奥さんも訳がわ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
行い、ヘルシェルは天文学者なので、光学の方面から調べるというつもりであった。五年
間引きつづいて研究をした。 これに聯関して起った事件は、一八二七年にファラデー....
「人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
にあっては、必要上産児の制限が行われる。適切に云えば育児の制限が行われる。所謂「
間引き」が行われるのである。そして多くの場合において、その
間引きの犠牲となるのは....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
うしろから組むが早いか、腕を輪締めに喉首を引っ掛けて、タタタタタと大廊下を五、六
間引き戻した。 うしろから咽を巻き込んだ一角の腕、荒木流のやわらで首閂という必....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
はほとんど増加しなかったのであった。これは一に一般民衆の生活が困難であり、堕胎、
間引き等による人口調節が盛んに行われた為にほかならぬ。これは幕府が鎖国主義を採っ....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
とって往生せしめるという一向宗の信徒となったがために、この宗旨の教導から、堕胎や
間引きをしなかったという理由もありましょう。ともかく世間の人口が増さぬ間に、この....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
人口が盛んに増殖する。一般世間の百姓、町人らは、生活が困難でありましたから、堕胎
間引きの悪風が盛んに行われて、一向に人口が増さなかった間に、彼らのみは盛んに増し....