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間性
「間性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
間性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
るには、余りに正直な人間であった。勿論この事実が不道徳なものだなどと云う事も、人
間性に明な彼にとって、夢想さえ出来ない所である。従って、彼の放埓のすべてを、彼の....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
ていますし、在来の恋愛小説には満足しないようになっていますから、……もっと深い人
間性に根ざした、真面目《まじめ》な恋愛小説を書いて頂きたいのです。
保吉 それ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ピア
完全なるユウトピアの生れない所以《ゆえん》は大体下の通りである。――人
間性そのものを変えないとすれば、完全なるユウトピアの生まれる筈《はず》はない。人....
「想片」より 著者:有島武郎
源頭たるマルクス自身の始めの要求にして最後の期待は、唯物の桎梏《しっこく》から人
間性への解放であることを知るに難くないであろう。
マルクスの主張が詮じつめると....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
ん」 博士は身体を硬直させたまま口だけを動かして、 「罪悪とは?」 「それは人
間性への反逆だからです。第39番の国楽は、支配者の勝手きままな統制条件だけででき....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
のが人間にあらねばならぬとして要求されているのはどうしたことなのか。私はそれが人
間性の根本に対する理解の不十分から来ているのではないかと疑う。そしてその疑いに全....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
言葉の内容も、実は、かの女やむす子と同じく巴里に憑かれた者の心情を含んでいた。人
間性の、あらゆる洗練を経た後のあわれさ、素朴さ、切実さ――それが馬鹿らしい程小児....
「河明り」より 著者:岡本かの子
必ず川が通っていた。そして、その水煙と水光とが微妙に節奏する刹那に明確な現実的人
間性が劃出されて来るのが、私に今まで度々の実例があった。東洋人の、幾多古人の芸術....
「雷」より 著者:海野十三
櫓に落ちたことは極めて合理的だった。 斯くして、皮相なる科学は、遂に深刻なる人
間性の前に降伏した。 高村町長は、自分の家が第三番目の落雷殺人の計画に挙げられ....
「「ファン」について」より 著者:伊丹万作
私の目標ではない。 すなわち私の目標は個体としての人間ではなく、全体としての人
間性である。 だから私は直接に限られた数のファンとの交渉を持たないかわりに、間....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
がるものである。 それは少なくとも個人の尊厳の冒涜、すなわち自我の放棄であり人
間性への裏切りである。また、悪を憤る精神の欠如であり、道徳的無感覚である。ひいて....
「荘子」より 著者:岡本かの子
、それと伍して幾つもの学派が並び起った。 孔子の倫理的理想主義を承けて孟子は人
間性善説を提掲した。これに対して荀子は人
間性悪説を執り法治論社の一派を形造った。....
「愛に就ての問題」より 著者:小川未明
残忍の限りを盟した時、眼を掩ってそれ以上の残忍は為し得ないという時そこに本当の人
間性はあり得る。 私は如何なる場合にも中途半端の虚偽を憎む。現代の多くの人々は....
「お母さんは僕達の太陽」より 著者:小川未明
しくもあり、善いことでもあったでありましょう。実に、子供の眼には、お母さんは、人
間性そのものゝ化身の如く感ぜられるのです。お母さんの善いところは、汲んでも、汲み....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
の中に持ち込まれたら、誰もかまわぬわけにはゆきますまい。 私たちの持っている人
間性、これを刈り取ってはいけず、さればと言って、伸び放題うっちゃって置いてもいけ....