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間拍子
「間拍子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
間拍子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恭三の父」より 著者:加能作次郎
礼状を寄越したのであった。 恭三は両方共読み終えたが、不図した心のはずみで妙に
間拍子が悪くなって、何でもない事であるのに、優しく説明して聞かせることが出来にく....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
であった。 山本毎氏のは咽喉を開放した、九州地方一流の発音のハッキリし過ぎた、
間拍子のキチンとしたもので、いつも地頭を承っていた。 桐山孫次郎氏のは底張りの....
「能とは何か」より 著者:夢野久作
の他、仏蘭西人は直観的に能の表現の尖鋭さを推賞し、独逸人は能楽のリズムを表現する
間拍子が異常な発達を遂げているのに驚異して、これを科学的に分析研究しているという....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、伸縮みを緊めつ、緩めつ、声の重味を刎上げて、咽喉の呼吸を突崩す。寸法を知らず、
間拍子の分らない、まんざらの素人は、盲目聾で気にはしないが、ちと商売人の端くれで....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
こさ。)と、草鞋の裏が空へ飜るまで、山端へどっしりと、暖かい木の葉に腰を落した。
間拍子もきっかけも渡らねえから、ソレ向うの嶽の雪を視ながら、 (ああ、降ったる雪....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
垂れが、子持縞の浅黄に通って、露に活きたように美しかった。 「いや。」 とただ
間拍子もなく、女房の言いぐさに返事をする、俊吉の膝へ、衝と膝をのっかかるようにし....
「能ぎらい/能好き/能という名前」より 著者:夢野久作
仮面を冠って舞うなんて芸術の原始時代の名残りだ。その証拠に能楽の歌や節や、囃子の
間拍子や、舞いの表現方法までも幼稚で、西洋のソレとは比較にならない程不合理である....
「露肆」より 著者:泉鏡花
処、手遊屋の婦は、腰のまわりに火の気が無いので、膝が露出しに大道へ、茣蓙の薄霜に
間拍子も無く並んだのである。 橙色の柳縹子、気の抜けた肩を窄めて、ト一つ、大き....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
和な、大人しやかな、気高い、可懐しいものであったから、南無三仕損じたか、逃後れて
間拍子を失った悪戯者。此奴羽搏をしない雁だ、と高を括って図々しや。 「ええ、そっ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
、朱塗の見世格子に煌々とネオン照り映え、門松の枝吹き鳴らすモダン風、駄々羅太鼓の
間拍子もなんとなくジャズめく当代の喜見城《リュウ・ド・プレジール》。
春になれ....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
前とちっとも変らない。どこかでフォルクダンスのレコードがこどもの靴先に挑みかける
間拍子の弾み切ったのが聞える。男は両鬢の肉と耳を少し動かして聞く。 もう一枚、....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
の嘴、蚊の鼻梁。
裸の女を取り巻くな。
木の葉に止まる雨蛙も、草むらにいる※も、
間拍子をまちがえるな。
風信旗(一方に向きて。)
願ってもない寄合ですね....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
のいたって静かな時刻に、村里近くまで啼きあるく鳥の言葉は、妙にこの人を喚ぶ声と、
間拍子が似ておったらしいのである。それが恐らくは我々をして耳を傾けしめ、何か簡単....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
三人の女性が是に参与したので、臼に伴なう古来の民謡はいずれもこの手杵の操作をその
間拍子に用いている。その臼には大小の種類があって、米麦でいうならば粡搗から精白を....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
だり、立ったり屈んだりするのが眼目であった。そうして歌は、またその動作と、完全に
間拍子があっている。作者がほかにあったろうと思われぬのである。 「中の中の小坊さ....