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間暇
「間暇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
間暇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ィックな夢でも見ているような思いをさせた。
葉子はそうしたままで、過ぐる二日の
間暇にまかせて思い続けた自分の過去を夢のように繰り返していた。連絡のない終わりの....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
い客が皆その女についてしまったので、追い出すわけには行かなかった。時々、二、三時
間暇をくれといって、客と出て行くのだった。そんなことがしばしば続いて、客の足が遠....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いささか凝然となりました。また、これが奇怪不審でなくてなんでありましょうぞ! 手
間暇いらず、たわいなく剔抉《てっけつ》できるだろうと思われたのはほんのつかのま―....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
と見つかりました。火消し番所が見つかった以上、鳶頭《とびがしら》の金助はさらに手
間暇を要せず居どころが判明したものでしたから、右門はまず在否を尋ねました。 し....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
した」 「何んの」と信玄は嘲笑うように、「謙信はともかく氏康なんど、一蹴するに手
間暇いらぬ。道鬼を呼べ! 道鬼を呼べ!」 「それに道鬼殿は一心こめて、戦車考案中....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
かずば臆したに当る、機に臨みて身を扱おうに、何程の事が有ろうぞ、朝の茶とあるに手
間暇はいらぬ、立寄って政宗が言語《ものいい》面色《つらつき》をも見て呉りょう、と....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
たものも、それを癒すにはやっぱり女よ。もしあたしがもう七ツ八ツ若かったらこんな手
間暇は取らせませんのにね。」 リサは今しがた新吉に意見したのとはあべこべなこと....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
所と決められました。 あなたも御承知の通り、こちらの世界では、何をやるにも、手
間暇間は要りません。思い立ったが吉日で、すぐに実行に移されて行きます。 『話が決....
「蛍」より 著者:織田作之助
といわず、そこらじゅう血まみれになったあとの掃除に十日も掛った自分の手を、三月の
間暇さえあれば嗅いでぶつぶつ言っていたくらいゆえ、坂本を匿うのには気が進まなかっ....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
はその一秒がいとしい。ただ逃がしてやりたくない。それを現すには、形が小さくて、手
間暇のいらない歌が一番便利なのだ。実際便利だからね。歌という詩形を持ってるという....
「首頂戴」より 著者:国枝史郎
に偉い人物で、恥でも掻かされたら耐らない。ヤクザ者なら叩っ切る。こっちの方から手
間暇は不可ぬ。野武士時代の蛮勇を揮い、スポリと一刀に仕止めるだけさ。……それは然....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
なけりゃアならない」 浪人は後へ退いた。 獲物を揮って討ち取るのなら、何の手
間暇もいらないのであって、すぐに柔弱の源三郎ぐらい、討って取ることは出来るのであ....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
いる、その根元に突立ちながら、 「相手は一人、鬼神であろうと、討って取るに何の手
間暇! ……もう一度引っつつんで斬り立てなされ! ……見られい彼奴め心身疲れ、人....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
」澄江の眼には当惑らしい表情が出た。 「打とうと思えば小父様など、たった一打ち手
間暇はいらぬ。……打たずにかえって打たれたは……澄江さま、貴方のためじゃ」 「…....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
の探索でわかったんだからな」
「うん」と友吉はうなずくようにしたが、「たいして手
間暇はかからなかったってわけさ。京都から来る飛脚の状箱を、こっそりあけるだけでよ....