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「間柄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

間柄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
くはない。もっとも自分とは、互に往来《ゆきき》はしていながら、さして親しいと云う間柄でもなかった。 「早いね、君も。」 「僕はいつも早いさ。」能勢はこう云いなが....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
う》に、やむを得ない事情が起ったとしても、それも知らさずに別れるには、彼等二人の間柄は、余りに深い馴染《なじ》みだった。では男の身の上に、不慮の大変でも襲《おそ....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ずにはいられなかった。その代りまた後《あと》に残った二人は、本来さほど敵意のある間柄でもなかったが、騎虎《きこ》の勢いで已《や》むを得ず、どちらか一方が降参する....
或る女」より 著者:有島武郎
六月の夜が過ぎてからほどもなく木部と葉子とは恋という言葉で見られねばならぬような間柄《あいだがら》になっていた。こういう場合葉子がどれほど恋の場面を技巧化し芸術....
星座」より 著者:有島武郎
また思いも寄らぬ方に動いていた。それはある発見らしくみえた。星野とおぬいさんとの間柄は園が考えていたようではないらしい。おぬいさんは平気で園の前でこの手紙を開封....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
れない、また僕が求めるならやはりどんなことでも民子は決して拒みはしない。そういう間柄でありつつも、飽くまで臆病に飽くまで気の小さな両人《ふたり》は、嘗《かつ》て....
婦系図」より 著者:泉鏡花
る。さしむかいに云うではなし、円髷も附添った、その女中とても、長年の、犬鷹朋輩の間柄、何の遠慮も仔細も無かった。 お妙さんがまた、あの目で笑って、お小遣いはあ....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
てなした。この二人の努力は幸に一致点を見出した。かくて二人は孤島にあって、美しい間柄で日を過したのみならず、遂に船に救われて英国の土を踏むことが出来た。フライデ....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
家のどいうところが気に入らないかえ。おつねさんだって初めからお互いに知り合ってる間柄だし、おつねさんが厭なわけはあるまい。その年をしてただわけもなく厭になったな....
出奔」より 著者:伊藤野枝
会って、そうしてできるだけお互いの住んでいる世界を理解しようと務めてかなり親しい間柄を結んでいくことがある。それは実に僥倖といってもいいくらいだ。もっとも理解と....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
々しい……旅客は、小県、凡杯――と自称する俳人である。 この篇の作者は、別懇の間柄だから、かけかまいのない処を言おう。食い続きは、細々ながらどうにかしている。....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
すが、小櫻姫の告ぐる所によれば彼女はT女の守護霊、言わばその霊的指導者で、両者の間柄は切っても切れぬ、堅き因縁の羈絆で縛られているというのであります。それに就き....
絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
が、ふとするとそっくり栖鳳先生に似通ったもののあるのを感じさせられますが、師弟の間柄はそうあってこそ然るべきだという気がします。大分昔の話ですが栖鳳先生のお池の....
活人形」より 著者:泉鏡花
紳士なりけり。こは高田駄平とて、横浜に住める高利貸にて、得三とは同気相集る別懇の間柄なれば、非義非道をもって有名く、人の活血を火吸器と渾名のある男なり。召連れた....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
八二六年十月七日*、ヴィーン *原注――当時の友人間においては最も愛し合っている間柄であってさえもわれわれの場合ほど、その愛情が性急ではなかったことが判る。ベー....