間歩[語句情報] » 間歩

「間歩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

間歩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
火事とポチ」より 著者:有島武郎
の中に連れこんだ。家の中には燈火《あかり》がかんかんとついて、真暗なところを長い間歩いていたぼくにはたいへんうれしかった。寒いだろうといった。葛湯《くずゆ》をつ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
飛び出した。戸を閉めるとき、乱暴に大きな音がした。はっとそれが気になった。二、三間歩いてから、振り向くと、軒先に「日本畳新聞」の看板が貧相に掛っているのが眼には....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
彼に突きあたった者があった。あぶなく倒れそうになったのを踏みこらえて、また二、三間歩いてゆくと、今度はかれの足がつまずいたものがあった。それがどうも人間らしいの....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
っちから行くと左側の堤防に不発弾がおち、電車は大橋→渋谷間が五、六日止まり、その間歩かせられた。 最後に工兵隊が出て、爆発させたが、そのときの工兵隊はがけ下を....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
からはみ出していた。薄べったい角張ったものらしい。 彼が門外へ踏み出して三、四間歩くと、待構えた石子と渡辺は左右から包囲するように彼に近づいた。 「もし/\」....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
が、仲間の顔色に読まれる、飯を炊くのに、未だ時間がある、思い切って天幕から一、二間歩き出した、岩を二ツ三ツ飛び越えて、次第に爪先が上る、無辺無限の単調の線が、ど....
大空魔艦」より 著者:海野十三
て一日その中にもぐりこんで、眠られぬ時間をしいて睡った。敵地へしのびよるには、昼間歩いてはならぬ。見つけられてはおしまいである。 また夜が来た。 腹をこしら....
幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
罪悪感も何もかも、家庭のことも、仕事のこともすっかりなかったのです。私達は、長い間歩きました。小母様、この日、私は本当に幸せだと思いました。私は、何の疑いも何の....
甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
さいましたとも」 と云い切ると、お千代を掻遣るようにして歩き出した。しかし五六間歩いた時、気になるので、振返って見た。お千代が、放心したような姿で、尚、松本家....
貞操問答」より 著者:菊池寛
見に参りますわ。」と、云うと立ち上った。 「厭だ! ずるいや。」と、夫人が二、三間歩き出したとき、美和子は、姉に低くつぶやいたが、後から姉に押されて仕方なく一し....
犬神娘」より 著者:国枝史郎
らしい」 植え込みの間を分けながら、千木の立っている建物の方へ、わたしたちが数間歩きました時、囁くような声で国臣様は云われ、にわかに足を止められました。 「北....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
とを、自然に周遍する白象の托胎性を、ここに斉しく崇め奉る。 後記 『藝林間歩』に「黙子覚書」を寄稿し、十回に及んで一先ず完了を告げた。完了といっても実は....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
私はすぐにこう思った。それで少しも躊躇せずに小径を奥へ歩いて行った。私は幾時間歩いたろう? 体が綿のように疲労れて来た。私は一歩も進めなくなった。ここでこの....
剣侠」より 著者:国枝史郎
薄光っていた。 「表門の方へ廻って見ましょう」 こう云って要介が先に立ち、二三間歩みを運んだ時、消魂しい叫声が邸内から聞こえ、突然横手の木戸が開き、人影が道へ....
子供の時分の話」より 著者:小川未明
おじいさんは、どこをどう歩いているのだか私にはわかりませんでした。だいぶん長い間歩いたと思う時分に、おじいさんは屋台を下ろしました。そして、箱の中から私を外に....