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間然
「間然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
間然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「癩」より 著者:島木健作
理論の心憎いまでの実践との融合であろう! 彼が肝胆を砕いて錬《ね》り上げ、もはや
間然するところなしとまで考えて提出する意見が、根本的にくつがえされて返される時な....
「文芸と道徳」より 著者:夏目漱石
性の活計を営むようになります。また社会一般から云うと、すでにこういう風な模範的な
間然するところなき忠臣孝子貞女を押し立てて、それらの存在を認めるくらいだから、個....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
て湯をざぶざぶ腹の上へかけている。いい慰《なぐさ》みだ。双方共色の黒い点において
間然《かんぜん》するところなきまでに発達している。この化物は大分《だいぶ》逞まし....
「恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
中に送りこむことが出来た。血液は威勢よく走り出るので、少しも凝固を起さず、実験は
間然するところが無い。心臓は勇ましく躍る。その躍る姿を眺めて居ると、左手に少しの....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
調和であるが、それでもこの室だけは、一番上等の間だと見えて、赤い毛布を布いて、客
間然とさせてある。 障子を開けて、椽側に出ると、眼の下がすぐ湯殿で、幅濶の階子....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
英国民の顧問であり、又相談相手であった。 一個の人格者としてのモーゼスも、又|
間然する所がなかった。公平で、正直で、謙遜で、判断力に富んでいると同時に、又絶大....
「怪譚小説の話」より 著者:田中貢太郎
美しい女になっており、大体の構想に痕跡の拭うことのできないものはあるが、その他は
間然する処のない独立した創作であり、また有数な傑作でもあって、上田秋成が『西湖佳....
「「二銭銅貨」を読む」より 著者:小酒井不木
られた暗号中の白眉と言ってよかろう。その他筋の運び方、描写の筆致など、どの点にも
間然する所がない。ただ暗号の文字を八字ずつ飛ばして読むと「御冗談」となるという点....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
った。これは勝頼が大将になったからである。信玄の生きている頃は信玄と家来との間が
間然するところがなく、気が揃っていたから強かったが、勝頼の代になると、家来が勝頼....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
る方はなかった。わらじを作ることを軽蔑せずに、尊みほめる、美的感情教育においては
間然するところはなかった。それは至れり尽せりであった。しかし自らわらじをつくるこ....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
くし》にその言を聞きその行を見ればおおむねみな闊達大度の士君子にて、わが輩これを
間然する能わざるのみならず、その言行あるいは慕うべきものあり。また一方より言えば....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
も配ったのは大抵じゃなかったろう。平生の知己に対して進退|行蔵を公明にする態度は
間然する処なく、我々後進は余り鄭重過ぎる通告に痛み入ったが、近い社員の解職は一片....
「尊攘戦略史」より 著者:服部之総
なよし》から八代|吉宗《よしむね》にいたる間は、将軍の自発性にもとづく京幕融和は
間然するところがなく、尊王と幕府安泰とは背馳するどころでなく見えた。蕃山らがはじ....
「明治の五十銭銀貨」より 著者:服部之総
カ合衆国の貨幣は本位貨幣たる金貨、補助貨幣たる銀貨、量目も品位もちゃんと整って、
間然するところがない。当年の日本にも、保字金《ほうじきん》や古二朱金のような、世....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
展し、その理論は階級闘争として無数の犠牲を払いながら実験せられ、革命の原理、方法
間然するところ無きまでに細部の計画成立した後、第一次欧州大戦を利用してツアー帝国....