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間者
「間者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
間者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
弱者は又道徳に愛撫《あいぶ》されるであろう。道徳の迫害を受けるものは常に強弱の中
間者である。
*
道徳は常に古着である。
*
良心は我我の口....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
ような関係に立っていることを考えれば、何ゆえにしばしば「いき」が上品と下品との中
間者と見做《みな》されるかの理由がわかって来る。一般に上品に或るものを加えて「い....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
た。私は、先日の手紙を見た時から、こんな疑いを起した。あの青年二人は、日本政府の
間者ではないかと考えた。あんな立派な文章を書く日本青年が、日本政府によって重用さ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いる秘密の殿堂をあばこうという方法で、第二は、ほかならぬあばたの敬四郎に向かって
間者か付き人かを放ちながら、その手中に納めている材料を巧みに盗みとろうという手段....
「厳島合戦」より 著者:菊池寛
来ていた。『平家』などを語って、いつか元就の城へも出入している。元就は、之を敵の
間者と知って、わざと膝下へ近づけていた。ある日、元就、老臣共を集め座頭の聞くか聞....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
夫役等の賦課其他に対する接衝等をもそれに委ねたのであった。実際に是の如き公私の中
間者の発生は、栄え行こうとする大きな活気ある町には必要から生じたものであって、し....
「決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
と共に余の軍は行動を起した。 余は善光寺の五千の兵に連絡しなかった。途中に敵が
間者を伏せていることは明かだからだ。あるいはすでに敵の
間者は善光寺界隈をくまなく....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
暴露症には縁がないから、その凄みにはタジタジ。 「スパイとおっしゃると、つまり、
間者ですな」 などと、てれかくしに古風な言葉に英文和訳したが、このへんが渉外部....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
をひくようなこともなかった。かりに彼の後を尾ける者があるとしても、いかに巧妙なる
間者でもその正体を暴露するであろうと思われるほどに、町は非常に混雑して、町の灯は....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
めである。 「これは怪しい、何者であろう?」 常陸は首を傾げたが、 「伏見方の
間者ではあるまいか?」 自分が五右衛門を刺客として、伏見城へやったおりからであ....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
目つけ出そうとして、乞食のように歩き廻っている。……わが兄ながら惨忍な、実の娘を
間者として、田安家の大奥へ住み込ませ、淀屋の独楽を奪わせようとは……」 「まあ叔....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
が、その時声がした。
「大事はござらぬ、捨てておおきなされ。……こやつは敵方の
間者でござる」紋也が静かにいったのである。
取り巻いている門弟たちを分け....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
の洞を占領するつもりであると思う」 「そのときにはどうするか?」 「そのときには
間者をみちびきいれて逆襲しよう」 と少年たちは作戦した。 翌日もことなくすぎ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
らは怪しい眇目の異国人を押っ取りまいて、いよいよ厳重に詮議をはじめて、結局は敵の
間者か細作のうたがいを以って彼を館の内へ無理無体に引き摺り込もうとするらしいと、....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
成るたけ早く部屋々々へ引き取らせ、自分は馴染の太夫の部屋に起きていて終夜、魯八を
間者に使って雲水僧の消息を一々探り取らせた。 魯八の諜報に依ると、雲水僧は登楼....