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間色
「間色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
間色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
に跡を絶って、全く異なった生活様式が突発するという事実はない。三つの生活様式の中
間色をなす、過渡期の生活が起滅する間に、新しい生活様式が甫《はじ》めて成就される....
「闇夜の梅」より 著者:三遊亭円朝
家《うち》へ出入《でいり》をするねと仰しゃるから、左様でござえます、長《なげ》え
間色々お世話になりますんで、なに其様《そん》な事は何うでも宜《い》いが、旦那が死....
「倫敦消息」より 著者:夏目漱石
》くつけたものだ。全く黄色い。日本にいる時はあまり白い方ではないがまず一通りの人
間色という色に近いと心得ていたが、この国ではついに人-間-を-去-る-三-舎-色....
「並木」より 著者:島崎藤村
なもので満足した。今は子供の着るものですら、黄とか紅《あか》とか言わないで、多く
間色を用いるように成った。それだけ進歩して来たんだろうね」 「しかし、相川君、内....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
来ない幾多の心的活動を発見するだろう。虹彩を検する時、赤と青と黄との間に無限数の
間色を発見するのと同一だ。赤青黄は元来白によって統一さるべき仮象であるからである....
「冥土行進曲」より 著者:夢野久作
になっているところを見ると、この車は尋常の車でない。そう気が付くと同時に私は一瞬
間色々な想像を頭の中で急転さしたが、この際躊躇している場合でないと思った。 で....
「スモーリヌイに翻る赤旗」より 著者:宮本百合子
本女はゆっくりその広場を横切り、十月二十五日通りへ出た。家並の揃った、展望のきく
間色の明るい街を、電車は額に照明鏡を立てたドクトルみたいなかっこうで走っている。....
「芸術が必要とする科学」より 著者:宮本百合子
低い民族あるいは社会層の者ほど原色配合を好み、高級となり洗練された人間ほど微妙な
間色の配合、陰翳を味わう能力を増すといわれているありきたりな概括にまで思い及んだ....
「崖下の池」より 著者:豊島与志雄
に湧き水がしてるということが、大変よい条件になる。金魚の色、黒や赤や青やその他の
間色から、その染め分けの模様まで、あれは固定してるものではなくて、いつも徐々に変....
「パリの地下牢」より 著者:野上豊一郎
よごした。今まではさしもの喚声も聞こえぬように胸を張っていた彼女も、さすがに一瞬
間色をなして、此の穢らわしい暴徒が! と叫んで、その方に背中を向けた。 やがて....
「作者の言葉〔『火 第一部』〕」より 著者:坂口安吾
縛は軽微で、勝者は万能でもあり、国家の名に於てなされる陰謀は、個人の陰謀よりも人
間色が濃厚なのである。 私は人間を書きたいのだ。私のあとう限りの能力によって。....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
涙をこぼしていた。私の事を尾道の方言で、「坊さん、坊さん」と言って、少年同士一年
間色々と親しみ合ったのだ。私も悲しくなった。橋のところで別れたが、幾度振り向いて....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
くように叫ぶ。一番|年量の、多分高谷の姿でも真似たつもりだろう、髪を廂に結うて、
間色のリボンを付けたのが、子を負ったまま、腰を屈めて、愛嬌の深い丸顔を真赤にして....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
らお怠け遊ばす、婆どんの居た内はまだ稼ぐ気もあったもんだが、もう叶わねえ。 人
間色気と食気が無くなっちゃあ働けねえ、飲けで稼ぐという奴あ、これが少ねえもんだよ....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
薄暮の花を眺むるが如し。彼は自在に多数の反対色を用ふれども巧みにこれを中和すべき
間色《かんしょく》の媒介を忘れざるが故に、その画面は一見甚だ清楚《せいそ》にして....