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「間諜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

間諜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
考えた。何事も心得ながら白々《しらじら》しく無邪気を装っているらしいこの妹が敵の間諜《かんちょう》のようにも思えた。 「今夜はもうお休み。疲れたでしょう」 葉....
人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
前から海龍倶楽部の一員として活躍し相当彼等のためにもなっているところから、たとえ間諜《スパイ》でも今殺すのは惜しいものだと躊躇《ちゅうちょ》しているのだよ。だが....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
機や其の辺を游戈している監視船、さては太平洋航路を何喰わぬ顔で通っている堂々たる間諜船舶の眼と耳とを誤魔化すためだったのだ。昨夜見たあの暗い海は、すでに敵国の領....
間諜座事件」より 著者:海野十三
るのだが、読者諸君は、それ等を悉く真の日本人だと早合点されてはいけない。実はその間諜一味は××人なのである。本来ならば「丸木花作事本名張学霖は……」といった風に....
食魔」より 著者:岡本かの子
見て取っていた。ときどき聞きもした。それは努めてしたのではないが、人の嗜慾に対し間諜犬のような嗅覚を持つ彼の本能は自ずと働いていた。夫人の食品の好みは専門的に見....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
云うのが大正十年の白露人保護請願で、とりわけその中に、――当時|赤露非常委員会の間諜連が企てていた白系巨頭暗殺計画に備えて、時刻はずれの鳴鐘を以って異変の警報に....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
炊煙異常に立ちのぼっている。謙信は忽ち甲軍の出動を予感した。「しのびの兵」(透波間諜)のもち来る情報も入ったので、甲軍が隊を二分し、一は妻女山の背後に廻り、一は....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
処を、再び捕えられた。異様の風体で、山中を徘徊して居たものだから、てっきり官軍の間諜と目星を指されて、追究|拷問至らざるは無しである。計介苦痛を忍びながら、佯っ....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
れたが、そのとき、駅員の前に、「要監視人通告書」という紙が載っていて、そこに、「間諜フン大尉の件」という見出しのついていたのを、目敏く読みとった。 (フン大尉か....
流線間諜」より 著者:海野十三
村探偵君!)と呼んだが、一体あの青年探偵帆村はどこにいるというのだ。此処は×国|間諜団の巣窟ではないか。累々と横わるのは、みな×国の間諜たちだった。もっとも一人....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
うした急使の覚えはいささかもないので、急な病気、と老人を持つ胸に応えた。 「敵の間諜じゃないか。」と座の右に居て、猪口を持ちながら、膝の上で、箇条を拾っていた当....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
たので、ある者は彼を詐欺師として軽蔑していたが、カサノヴァの記録によると、かれは間諜であったそうだ。いや、そんなことはどうであろうと、彼は非常なる魅力の所有者で....
『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
な娯楽放送を聴取者のラウドスピーカーに送ることが出来ように思っている。 『流線|間諜』は「つはもの」に連載されたスパイ小説である。この小説のテーマは、結局科学小....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
った。彼らが、家族、敗兵らとともに密林中に逃げこんだとき、汝らはわが言にしたがい間諜をだし、たくみに彼らを導いて殱滅させたではないか。 但し、隊長夫妻ならびに....
褐色の求道」より 著者:岡本かの子
に入り込む者が段々多くなったそうです。それで近頃イギリスの官憲が斯ういう独逸人を間諜じゃないのかと疑い出し、我が国の外務省も気兼ねをしながら、印度入りの旅券を下....