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間近い
「間近い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
間近いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
?」
「住居か? 住居はあの山の陰《かげ》じゃ。」
俊寛様は魚を下げた御手に、
間近い磯山《いそやま》を御指しになりました。
「住居と云っても、檜肌葺《ひわだぶ....
「列車」より 著者:太宰治
つくしているのである。私は思い切ってテツさんの窓の方へあるいて行った。 発車が
間近いのである。列車は四百五十|哩《マイル》の行程を前にしていきりたち、プラット....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
一
秋ちゃん。
と呼ぶのも、もう可笑《おか》しいようになりました。熊本秋子さん。あなたも、たしか、三十に
間近い筈《はず》だ。ぼくも同じく、二十八歳。すでに女房《にょうぼう》を貰《もら》....
「軍用鮫」より 著者:海野十三
キロメートル、また南京の西南西二〇〇〇キロメートル、雲南省の遍都で、インド王国に
間近いところではないか。雲南などへ迎えられては、わしは迷惑この上なしだ」 「いや....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
景全局を刹那に地獄相に変貌せしめまた刹那にもとの歓楽相に戻す。それは何でもない。
間近い城東電車のポールが電力線にスパークする光なのだが、小初は眺めているうちに―....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
れへ浮み出た船のように、勢を緩めながら賑やかで平らな道筋を滑って行く。窓硝子から
間近い両側の商店街の強い燭光を射込まれるので、車室の中の灯りは急にねぼけて見える....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
入ることを厳重に警戒した。若し今川方から大高に兵糧を入れる気配があったら、大高に
間近い鷲津、丸根の二城は法螺貝を吹き立てよ、その貝を聞いたら寺部等の諸砦は速かに....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
とびで、地球へもどれるんだ」ああ、意外にも、ガンマ星から脱出したところは、地球に
間近いところであったのだ。燃料の心配も、いまはもうなかった。 艇員は、気がつい....
「草藪」より 著者:鷹野つぎ
た際であることなども、勿論云い添える気持など出て来なかった。それよりも、とよ子に
間近いベッドにいる自分に、求めずしていろいろの事情が既に耳に伝わっていたことや、....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
直覚と、私の言い表わしようのない境遇のすべての事情とは、もう終りが確実で、しかも
間近いということを私に告げるのです。その時には、行って、先ずラニョンが君の手に渡....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
能であるが、アワビ採りでは抜群の巧者。機械潜水ならば三十尋から四十尋の海底で一時
間近い作業をつづけて、殆ど潜水病も経験したことがない。それには体躯に於て恵まれて....
「俊寛」より 著者:倉田百三
てた一つの檻に親子の獣をつなぐように。わしの配所の児島と父の配所の有木の別所とは
間近いのです。しかも決してあうことは許されないのです。その欠乏と恥辱との報知だけ....
「初雪」より 著者:秋田滋
二三日前から当地はめッきり寒くなって、厚い氷が張るようになった。雪の降るのももう
間近いことだろう。お前とちがってこの季節が好きな自分は、おおかたお前もそう思って....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
を顛覆した大船のように雲の波の上にちらと見せたが、すぐ復た沈んでしまった。左手は
間近い飯縄の原の瑞々しい緑が、引汐時の干潟のように刻々に展開して、花野の露にあこ....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
る。天幕から出て空を仰ぐと、曇ってはいるが高い巻層雲だ、眺望は四方に開けていた。
間近い劒の八ツ峰から三窓の頭へかけて簇立した岩峰の群が真先に目を惹く。此処から見....