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関守
「関守〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
関守の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
昔であるから、それらの時代の回顧はしばらく措いて近世の江戸時代になっても、箱根の
関守たちはどの程度の繁昌をこの夜に見出したであろうか。第一に湖畔の居住者が少ない....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
め、自分でも愛妾の淀君を呼び寄せて居る。淀君が東下の途中、足柄の関で抑留した為、
関守はその領地を没収された様な悲喜劇もあった。或時は数寄屋に名器を備え、家康、信....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
しみ、後にお子供が出来ませず、一粒種の事なれば猶さらに撫育される中、隙ゆく月日に
関守なく、今年は早や嬢様は十六の春を迎えられ、お家もいよ/\御繁昌でございました....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
に立顕る。 鯉七 誰だ。これへ来たは何ものだ。 蟹五郎 お山の池の一の関、藪沢の
関守が控えた。名のって通れ。 鯰入 (杖を袖にまき熟と視て)さては縁のない衆生で....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
舞へ飛ぶのか知らん……と道庵が戸惑いをしました。 ところが、たったいま引込んだ
関守の組子が、得物《えもの》を携えて関屋の前後からバラバラと現われたかと見ると、....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
かということを証明するものである。「志斐い」の「い」は語調のための助詞で、「紀の
関守い留めなむかも」(巻四・五四五)などと同じい。山田博士は、「このイは主格を示....
「東上記」より 著者:寺田寅彦
ささま/″\に嬉しく、哀れを止むる馬士歌の箱根八里も山を貫き渓をかける汽車なれば
関守の前に額地にすりつくる面倒もなければ煙草一服の間に山北につく。ひとしきり来る....
「浅間山麓より」より 著者:寺田寅彦
がする。 峰の茶屋には白黒だんだらの棒を横たえた踏切のような関門がある。ここで
関守の男が来て「通行税」を一円とって還り路の切符を渡す。二十余年の昔、ヴェスヴィ....
「箱根熱海バス紀行」より 著者:寺田寅彦
あろう。 航空気象観測所と無線電信局とがまだ霜枯れの山上に相対立して航空時代の
関守の役をつとめている。この辺の山の肌には伊豆地震の名残らしい地割れの痕がところ....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
りだ」 「関門とは何だ? 何が関門だ?」 「すなわちここが関門よ。そうして俺こそ
関守よ」 「関門であろうと
関守であろうと、俺は腕ずくで通って見せる」 「腕ずくで....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
家財の方を処分致す意にござります」 馬飼吉備彦は帰って行った。 (かくて月日に
関守なく五月あまり一月の日はあわただしくも過ぎにけらし)と昔の文章なら書くところ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
であったが、三家の筆頭たる尾張様の家臣で、五千八百余石のご大身、山村甚兵衛が関の
関守、代官としてまかり居り、上り下りの旅人を調べる。で、どうしてもこの福島へは、....
「宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
雄山艶子 外山咲子 由良道子 八十島楫子 雲井浪子 秋田衣子
関守須磨子 三室錦子 小倉みゆき 大江文子 松浦もしほ 三好小....
「ながうた勧進帳」より 著者:酒井嘉七
ことは鎌倉に聞えている。それがために、関所でも、山伏は特に厳しく詮議されていた。
関守の富樫左衛門は義経主従を疑惑の目で見守る。しかし、弁慶は落ちつきはらって、自....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
であった。袋中和尚の「泥※の道」には、いわゆるエタも非人も、獣医すなわち伯楽も、
関守、渡し守、弦差すなわち犬神人などの徒をも、みな一緒にして三家者と云っているの....