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関手
「関手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
関手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「機関車」より 著者:佐左木俊郎
最初の列車を牽いて帰って行った。 終列車の機関車には、大抵《たいてい》、若い機
関手が乗って来た。そして同じ顔が、五日目|毎《ごと》ぐらいの割に振り当てられてい....
「汽笛」より 著者:佐左木俊郎
、あの秋子《あきこ》の蒼白《あおじろ》い顔ばかりでなく、父親の吉川《よしかわ》機
関手が、真っ黒い髯面《かお》を覗《のぞ》けていることがあったことを。 柴田貞吉....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
屍体は第一のそれと同じ様に、菜っ葉服を着、従業員の正帽を冠った、明かに73号の機
関手で、粉雪の積った砂利面の上へ、線路に近く横ざまに投げ出されていた。――辺りは....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
に、運転乗務員として必ず乗込んでいた二人の気の毒な男があったんです。 一人は機
関手で長田泉三と言いましてな、N鉄道局教習所の古い卒業生で、当時年齢三十七歳、鼻....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
「さあ、発車だ! 発車だ! おそくなっちゃった。」 見物にまぎれこんでいた機
関手は、その時、ほっと吐息をするように、彼を待っている汽車の方へ馳け出した。発車....
「軽井沢」より 著者:寺田寅彦
単で愉快なものである、大きな踏み台か、小さな地蔵堂のような格好をした鉄箱の中に機
関手が収まっている。その箱の上に二本鉄棒を押し立てて、その頂上におもちゃの弓をつ....
「喫煙癖」より 著者:佐左木俊郎
はそりゃ、私あ、十五六の時から、鉄道の方の、機関庫にいまして、最近までずうっと機
関手をやって来ていますから。そりゃ慣れたもんでさあ。何しろ、私が鉄道に這入ったの....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
未亡人は詩人と、街路掃除夫は社会改良家と、踊り子は舞踏家と、郵便脚夫は官吏と、機
関手は運輸業と、給仕は会社員と、売笑婦は「独立生計」と、めいめいその花文字のよう....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
りしていた。またある時はドアの外へ出て、列車が通過の際に信号旗を示し、あるいは機
関手にむかって何か口で通報していた。彼が職務を執るときは非常に正確で注意ぶかく、....
「轢死人」より 著者:豊島与志雄
車を早く止めたらよかったんだろうがね。」と私は話の終りに云い添えた。「少くとも機
関手には遠くから、その男の姿がみえた筈だろうじゃないか。」「そうはゆかないだろう....
「臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
らの返電は三分と経たないうちに来た。 『今もって何等かの報道なし。短距離列車の機
関手も車掌もケニヨン、バートン・モス間に何等かの変事を見ず――マンチェスター。』....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
地位に立った者があるだろうか。わたしは時どきに思うのであるが、おそらくあの二等機
関手を除いては、私がこの船中でただ一人の正気の人間ではあるまいか。しかし、かの機....
「妖女の舞踏する踏切」より 著者:田中貢太郎
さしかかったところで、一方の闇から一人の青年がふらふらと線路の中へ入って来た。機
関手は驚いて急停車してその青年を叱りつけた。 「前途のある青年が、何故そんなつま....
「ばかな汽車」より 著者:豊島与志雄
――長いあいだ汽車の機
関手《きかんしゅ》をしていた人が、次《つぎ》のような話をきかせました。―― ....
「大叫喚」より 著者:岩村透
の中で、人家の無い所に、わいわいいって沢山の人々が集っているのが、見えるのだ。機
関手は再三再四汽笛を鳴らして、それに注意を与えるが、彼等は一向平気で、少しもそこ....