»
閨
「閨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
閨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
の事だ。僕はその女を見た時ほど、女の美しさを感じた事はない。」
「有美《ゆうび》
閨房秀《けいぼうのしゅう》 天人《てんじん》謫降来《たくこうしきたる》かね。」
....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
を捲《ま》いて風が南《みんなみ》へ吹いたが、たちまち静《しずま》り返った、夫婦が
閨《ねや》もひッそりした。」
二十四
「翌日また正午頃《ひるごろ》、里近く、....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
位信用すべき媒妁人は少いから、呉も越も隔てなく口を利いて巧く纏める。従うて諸家の
閨門に出入すること頻繁にして時々厭らしい! と云う風説を聞く。その袖を曳いたり、....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
ではないか。ただその敵に勝てば可いのだ。私は、この強さ、力、威あるがために勝つ。
閨にただ二人ある時でも私はこれを脱ぐまいと思う。私の心は貴女を愛して、私の鎧は、....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
したお澄の姿に、満悦らしい鼻声を出した。が、気疾に頸からさきへ突込む目に、何と、
閨の枕に小ざかもり、媚薬を髣髴とさせた道具が並んで、生白けた雪次郎が、しまの広袖....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
ふとここへ顕れたが、坂下に大川一つ、橋を向うへ越すと、山を屏風に繞らした、翠帳紅
閨の衢がある。おなじ時に祭だから、宵から、その軒、格子先を練廻って、ここに時おく....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
小走りに、もとの廊下へ一度出て、その中庭を角にした、向うの襖をすらりと開けると、
閨紅に、翠の夜具。枕頭にまた一人、同じ姿の奴が居る。 お珊が黙って、此方から差....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
思召しは、鉄砲は避けもされる。また眷属が怪我に打たれまいものではない。――御殿の
閨を覗かれ、あまつさえ、帳の奥のその奥の産屋を――おみずからではあるまいが――お....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ようでいて、さっきから思出せなかったが、髑髏が言うので思出した。春頃出たんだ、『
閨秀小説』というのがある、知ってるかい。」 「見ないが、聞いたよ。」 「樋口一葉....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
し、また内気な人だったとみえて、余り戸外へなんか出た事のない人でね、堅く言えば深
閨に何とかだ。秘蔵娘さね。 そこで、軽々しく顔が見られないだけに、二度なり、三....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
こうとして、爪立って、前髪をそっと差寄せては見たけれども、夢のために身を悶えた、
閨の内の、情ない状を見るのも忌わしし、また、何となく掻巻が、自分の形に見えるにつ....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
、誰かに呼ばれたのに違いない。――呼んだのは、室の扉の外からだった――すなわち、
閨の戸を音訪れられたのである。 但し
閨の戸では、この室には相応わぬ。寝ているの....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
が可いと、昔気質の誰でもそう云う。上はそうまでもない。あの下の事を言うのである。
閨では別段に注意を要するだろう。以前は影絵、うつし絵などでは、巫山戯たその光景を....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
右には、まくれたり、はだかったり、白い肌が濡れた羽衣に包まれたようになって、紅の
閨の寝息が、すやすやと、春風の小枕に小波を寄せている。私はただ屏風の巌に、一介の....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
りしもの、当時さる会社の副頭取を勤めておらるる。この名望家の令嬢で、この先生の令
閨で、その上音楽の名手と謂えば風采のほども推量られる、次の室の葭戸の彼方に薔薇の....