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「閨秀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

閨秀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ろまん灯籠」より 著者:太宰治
「梅花」という香《こう》を一つ焚《く》べて、すうと深く呼吸して眼を細めた。古代の閨秀《けいしゅう》作家、紫式部の心境がわかるような気がした。春はあけぼの、という....
三四郎」より 著者:夏目漱石
アフラ・ベーンか」 「ぜんたいなんです、そのアフラ・ベーンというのは」 「英国の閨秀《けいしゅう》作家だ。十七世紀の」 「十七世紀は古すぎる。雑誌の材料にゃなり....
蒲団」より 著者:田山花袋
、英語の教科書、ことに新しく買ったツルゲネーフ全集が際立って目に附く。で、未来の閨秀作家は学校から帰って来ると、机に向って文を書くというよりは、寧ろ多く手紙を書....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
の諸星のごとく輝き、山田美妙のごとき彗星が現われて消え、一葉女史をはじめて多数の閨秀作者が秋の野の草花のように咲きそろっていた。外国文学では流行していたアーヴィ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ようでいて、さっきから思出せなかったが、髑髏が言うので思出した。春頃出たんだ、『閨秀小説』というのがある、知ってるかい。」 「見ないが、聞いたよ。」 「樋口一葉....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
話をし、盛んに見たがっている。いくら見たくても、あればっかりは拝見が叶うまいと、閨秀美人《けいしゅうびじん》と豪傑画家とが、しきりに歎息しているのを盗み聴いて、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
しいので、それが心配になるのと、もう一つはかねて約束が一つありました。 仙台の閨秀詩人《けいしゅうしじん》、高橋玉蕉女史の招待で、今晩あたり松島の月を見ようと....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
見せた。それからまたもどって来た。そして、あれは激しい肉感的な小説で有名になった閨秀《けいしゅう》作家だと説明した。その近代のサフォーは、胸に紫色の飾りをつけ、....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
。「うつせみの」「うつせみの」と口ずさみながら彼女は林の中を歩いた。 「あなたは閨秀歌人になるがいいな」と私は或る時言った。 「なれたらなりたいわ」と彼女は気が....
桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
近代女流俳句は、大正七年以降全国的に長足の進歩をとげているのであるが、しかも尚お、閨秀の和歌に較べて、はるかに下位に取扱われ、閨秀歌人が自由に自家の歌集を世にとい....
虎杖採り」より 著者:田中貢太郎
閨秀画家の伊藤美代乃女史は、秋田の出身であるが、その女史が小さい時、それは晩春の....
作画について」より 著者:上村松園
夢をこの絵の中に託したもので、私にとって終生忘れ得られぬ一作であります。 私の閨秀画家としての地位はこのあたりから不動のものとなったとも言えるでしょう。 ....
好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
吉利巻と呼んだのもありました。 華美な東京の女 大阪に尾形華圃という閨秀画家がいて、私より三つほど年上でしたが、その人と連なって東京博覧会の時にはじ....
泉鏡花先生のこと」より 著者:小村雪岱
遊びに見えられて、お逢いしたのでした。 久保氏夫人よりえさんは、落合直文門下の閨秀歌人として知られた方で、娘時代から鏡花先生の愛読者であった関係から親交があっ....
靄の彼方」より 著者:上村松園
引き出してくるのではないかと思われます。 ○ 若い人たち――殊に若い閨秀作家たちの作品には、よく教えられることがあります。みな器用になって、表現が巧....