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「閲する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

閲するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
作物の批評」より 著者:夏目漱石
って、専門の分岐《ぶんき》せぬ今の世に立つからには、多様の作家が呈出する答案を検閲するときにあたって、いろいろに立場を易《か》えて、作家の精神を汲《く》まねばな....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
であった。命令一下各自血路を開いて退却千本桜に集合出来たので、乃木少佐が隊列を検閲すると、肝心の河原林少尉の姿が見えない。最後の激戦の時、刀を揮って挺身する姿を....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
事云え。前にそんな事が分るものか」 「だ、黙れ。き、貴様等は俺の出す手紙を一々検閲するではないか。俺の注文書を読まなかったか」 「成程」 「俺は事明細に認めて郷....
読書法」より 著者:戸坂潤
ではない。其の他幾万の常識。 校正係りは原稿がそのまま活字になったかどうかを校閲するのではなくて、印刷になったものが文章及び文字として正しいかどうかを検閲する....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
の忠告など思いつくままに申し述べてかくて後大人の縦横なる筆力もて全く綴られしを一閲するにその文章の巧《たくみ》なる勿論《もちろん》主人などの及ぶところにあらず小....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
たずらであるから、再びそれを射ようともしなかった。 ある日、中丞が来て軍隊を検閲するというので、一軍の将士はみな軍門にあつまり、牆壁をうしろにして整列している....
文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
歩してワンセンヌに赴く。偶ま中路暑に苦み樹下に憩い携うる所の一新聞紙を披いて之を閲するに、中に載する有りチシヨンの博士会一文題を発し賞を懸けて能く応ずる者あるを....
科学論」より 著者:戸坂潤
段階だったのである。 それ故、知識の構成手続き、知識の客観性を保証し確保し又検閲するための知識構成の手続きは、要するに人間的実践。感覚や実験は、之が単に理論的....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
るところでありました。 そこで、これらの人たちと共に、改めて斬られている奴を検閲すると、これは長く清洲《きよす》の銀杏《ぎんなん》加藤家に仕えていた下郎に相違....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
い大きな石がつみ重ねてあった。彼は勢いよくそれらの石の方へ進んでゆき、あたかも検閲するかのように夜の靄《もや》を透かして注意深くそれらを調べた。植物の疣《いぼ》....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ンド分割調書を作り、確認し、署名し、花押《かおう》したのである。近世の大逆の史を閲すると、右の事がらが第一に現われてくる。ウィーン会議はおのが罪悪を完成する前に....
初雪」より 著者:秋田滋
が失せてゆくものだが、それと同じように、この古色蒼然たる屋敷も、幾世紀かの年月を閲するうちに、いつしか、つめたく冷え切ってしまったように思われるのだった。彼女は....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
に一輯五冊または六、七冊ずつ発梓し、天保十二年七十五歳を以て終結す。その間、年を閲する二十八、巻帙百六冊の多きに達す。その気根の大なるは東西古今に倫を絶しておる....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ように云われた。己の兵士は隊の順序に ここで上陸するが好い。海岸に整列させて 検閲する。お前は先へ行くが好い。 神聖なエウロタ川の、豊饒な岸に どこまでも沿うて....
頸の上のアンナ」より 著者:神西清
るんだ。」 そして屡々妻の衣裳箪笥の錠を開けさせて、中のものが完全かどうかを検閲するのであった。 そのうちに冬になった。まだ降誕祭までに大分間のあるうちから....