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閲歴
「閲歴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
閲歴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
は常にその「わたくし」なるものを作家自身とする小説である。いや、時には作家自身の
閲歴談と見られたが最後、三人称を用いた小説さえ「わたくし」小説と呼ばれているらし....
「或る女」より 著者:有島武郎
にあって息気《いき》をふき返した人魚のような葉子のかたわらにおいて見ると、身分、
閲歴、学殖、年齢などといういかめしい資格が、かえって夫人を固い古ぼけた輪郭にはめ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
でありました。あくまでも見込み捜査で、疾風迅雷的に殺された本人――岡っ引き長助の
閲歴を洗いたてました。いずれ遺恨あっての刃傷《にんじょう》に相違なく、遺恨とした....
「弓町より」より 著者:石川啄木
たく散文になってしまった時でなければならぬ」というようなことをいった。私は自分の
閲歴《えつれき》の上から、どうしても詩の将来を有望なものとは考えたくなかった。た....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
じようとしたが、時の御匙法師ににらまれて、譴責を受け、蝦夷移住を命ぜられたという
閲歴をもった人である。この瑞見は二年ほど前に家を挙げ蝦夷の方に移って、函館開港地....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
いくらいであった。もともと御隠居は安政大獄の当時、井伊大老に反対して幽閉せられた
閲歴を持つ人で、『神祇宝典』や『類聚日本紀』なぞを選んだ源敬公の遺志をつぎ、つと....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ある。攘夷主唱の張本人とも言うべき人たちの中での錚々である。不思議な運命は、この
閲歴を持った人を外国人歓迎の主人役の位置に立たせた。ヨーロッパは日本を去ることも....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
じく三年には学制取調御用掛り、同じく四年にはさらに大学出仕を仰せ付けられたほどの
閲歴をもつ人であるが、あまりに昇進の早いのを嫉む同輩のために讒せられて、山口藩和....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ないのである。われ等は、地上生活中の自己の姓名を名告り、そして自己と同時代の性行
閲歴につきて、事こまやかに物語るであろう。さすれば、われ等が決してニセ物でないこ....
「六月」より 著者:相馬泰三
って行った。 その日はちょうど、政治界のちょっとした名士が病死したのでその人の
閲歴やら、逸話やらで、不時の記事が多くて割に忙しかった。それに二面の方では支那問....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
|不手際になったのであろう。それでも鶴見は満足した。鶴見としては彼の花火に関する
閲歴にめずらしい一例を加え得たのである。米国大統領の観覧に供した両国橋|畔の大花....
「触覚の世界」より 著者:高村光太郎
読庸行、見るも醜怪な姿をしている事もある。世上で人が人を見る時、多くの場合、その
閲歴を、その勲章を、その業績を、その才能を、その思想を、その主張を、その道徳を、....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
そかに、愉楽しているような領域があるのである。近くは、吉川霊華を見ると、あの人の
閲歴に不似合いだと思われるほど濃い人間の官能が、むっとする位つきまとうて居るのに....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
られなかったのは沼南の志が世俗の権勢でなかったからばかりではない。アレだけの長い
閲歴と、相当の識見を擁しながら次第に政友と離れて孤立し、頼みになる腹心も門下生も....
「回顧と展望」より 著者:高木貞治
あるようであります.それは当然不確かになるべきものだと考えられます.遭遇というか
閲歴というか,つまり現在の事だって本当には分らない.それは当然主観的である.しか....