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「閻王〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

閻王の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
たから、時が時なり、心も心、後暗《うしろぐら》いので喫驚《びっくり》して見ると、閻王《えんおう》の使《つかい》ではない、これが親仁《おやじ》。 馬は売ったか、....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
に輝き、きっと結んだ唇をブル/\顫わせて、呻くような太い息を吐いた姿は正に怒れる閻王の如く、気の弱い者なら眼を閉じて怖じ恐れて口を利く事さえ出来なかったであろう....
空家」より 著者:宮崎湖処子
再度徳利と菜籠を提げて阿園を訪いたること、ついに阿園と寝たること、歴々としてなお閻王《えんおう》の法廷に牽《ひ》かれて照魔鏡の前に立たせられたるに異ならず、しか....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
西眠東食是れ生涯 秋霜粛殺す刀三尺 夜月凄涼たり笛一枝 天網|疎と雖ども漏得難し閻王廟裡|擒に就く時 犬坂毛野 造次何ぞ曾て復讎を忘れん 門に倚て媚を....
郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
く照りかえすので、雄大でグロテスクな幻想を呼び起《おこ》させる。蕪村の詩としては閻王《えんおう》の口や牡丹を吐《はか》んとす が最も有名であるけれども、単なる....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
牡丹かな 蟻垤 蟻王宮《ぎわうきゅう》朱門を開く牡丹かな 波翻舌本吐紅蓮閻王《えんわう》の口や牡丹を吐かんとす その句またまさに牡丹と艶麗を争わんと....
活人形」より 著者:泉鏡花
寄る哀れさよ。蜉蝣の命、朝の露、そも果敢しといわば言え、身に比べなば何かあらむ。閻王の使者に追立てられ、歩むに長き廻廊も死に行く身はいと近く、人形室に引入れられ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
で、はよう引っ担いで行ってくだされ」 お杉ばばは、お通を指さして、断獄を命じる閻王のようにいった。 他の四、五名は、みな郷士ふうの男であり、ばばの一族らしか....
三国志」より 著者:吉川英治
のは如何なるわけか」 と、呶鳴った。 すると、李粛は車の後ろで、 「されば、閻王の旨により、太師を冥府へ送らんとて、はや迎えに参っているものとおぼえたりっ」....
三国志」より 著者:吉川英治
き出せっ」と、曹操の叱咤はいよいよ烈しい。一片の情、一滴の涙も知らぬような面は、閻王を偲ばしめるものがあった。 呼びだした慶童を突きあわせて、董承の吟味にかか....
三国志」より 著者:吉川英治
ものなら打ってみよ」 「斬れっ。――彼奴を!」 面に朱をそそいで、周瑜の指は、閻王が亡者を指さすように、左右へ叱咤した。 「あっ、お待ち下さい」 一方の大将....