閻魔堂[語句情報] » 閻魔堂

「閻魔堂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

閻魔堂の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
んとあごをなでなで乗りつけたところは、ひげなきゆえにひげすり閻魔と名の高いそのお閻魔堂の境内でした。のっそり降りると、 「ウフフフフフ。ふくれているな」 うれ....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
が珍重いたすことで、文政十年の十一月五日に八十三歳で歿しました。墓は深川|亀住町閻魔堂地中の不動院に遺って、戒名を參清自空信士と申します。この清兵衛が追々年を取....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
を力にうと/\一夜を明すのだ。そこでよく火事が起る。彼が隣の墓地にはもと一寸した閻魔堂があったが、彼が引越して来る少し前に乞食の焚火から焼けて了うて、木の閻魔様....
古狢」より 著者:泉鏡花
家内と一所に、麹町六丁目、擬宝珠屋根に桃の影さす、真宝寺の花御堂に詣でた。寺内に閻魔堂がある。遠藤さんが扉を覗いて、袖で拝んで、 「お釈迦様と、お閻魔さんとは、....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
爺が居て気がつかなかったか。木魚を置いたわきに、三宝が据って、上に、ここがもし閻魔堂だと、女人を解いた生血と膩肉に紛うであろう、生々と、滑かな、紅白の巻いた絹....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
れられて増上寺境内は度々通った。怖い心持がいつもした。あの赤羽から這入ると左側に閻魔堂がある。あれも怖かった。長じて後もその習慣で、あの閻魔堂の前は快く通ること....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
よもやと思っていた係与力《かかりよりき》の耳へ、谷中瑞雲寺《やなかずいうんじ》の閻魔堂《えんまどう》のそばで、つい、たった今、また娘がひとり殺《や》られたという....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
な。そんなものがあるものか。お前の見損いだ。」 「いいえ、河童が出たのです。あの閻魔堂の前の川には河童がいます。」 蘭軒は高笑いしました。「目が闇に慣れて来た....
食堂」より 著者:島崎藤村
人達が月島の方へ毎朝の魚の買出しに出掛けるとは、お三輪には信じられもしなかった。閻魔堂の前から、新七達の働いている食堂の横手がよく見える。近くにはアカシヤのわく....
深川の散歩」より 著者:永井荷風
黒江橋《くろえばし》は今の黒亀橋《くろかめばし》のあるあたりであろう。即ちむかし閻魔堂橋《えんまどうばし》のあったあたりである。しかし今は寺院の堂宇も皆新しくな....
四谷、赤坂」より 著者:宮島資夫
閻魔様は、その体格の偉大な点において、東京でも有名である。盆と正月の十六日には、閻魔堂の格子が開いて、がらんとした暗い堂の正面に、朱顔に金の眼を光らせ、赤い口を....