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「闃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

闃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
と思っていると、ぱちんと云う音がして、折鞄を開けて、何か取出したらしかった。後は寂《ひっそり》して、下の茶《ちゃ》の室《ま》の簷端《のきば》につるしてある鈴虫....
草枕」より 著者:夏目漱石
。あざやかなる織物は往きつ、戻りつ蒼然《そうぜん》たる夕べのなかにつつまれて、幽《ゆうげき》のあなた、遼遠《りょうえん》のかしこへ一分ごとに消えて去る。燦《き....
新生」より 著者:島崎藤村
へと出た。そこまで行くと人足達の姿も高い墓石に隠れて、唯土でも掘り起すらしい音が寂《しん》とした空気にひびけて伝わって来ていた。 ふと昔の友達の青木が住んだ....
軍用鮫」より 著者:海野十三
船を爆沈す)と出ましたが、ああなんたる神易でありましょうか」 「……」 博士は《げき》として、化石になりきっていた。 「もし楊《ヤン》博士、猛印からのお迎え....
」より 著者:島崎藤村
たが、何時の間にかこれも出て行った。広い家の内にはお種一人残った。 急に周囲が寂として来た。寺院のように人気が無かった。お種は炉辺に坐って独りで静かに留守居....
四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
迸出たが、応ずる者なし。大きな声が夜の空を劈いて四方へ響渡ったのみで、四下はまたとなって了った。ただ相変らず蟋蟀が鳴しきって真円な月が悲しげに人を照すのみ。 ....
草藪」より 著者:鷹野つぎ
る足音も絶え、前後に隣る病室の物音も静まって、私の隣りの空ベッドのあたりが余計|として来た、私はキリギリス籠を思わせるベッド蚊帳におさまって、それでも病躯にち....
人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
る狂瀾怒濤のように、醤の陣営|目懸けて攻めよせた。 これに対して、醤の陣営は、として、鎮まりかえっていた。 ただ、かの醤の陣営の目印のような高き望楼には、....
障子の落書」より 著者:寺田寅彦
って両側の土堤も半ば崩れたのを子供等が駆け上り駆け下りて遊んでいる。観覧車も今はとして鉄骨のペンキも剥げて赤※が吹き、土台のたたきは破れこぼちてコンクリートの....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
を「緑林黒白」には次のような文章で書き記してある。 「門ヲ入レバ内庭ニシテ、四辺寂人影無シ、中央ニ大池アリ。奇巌怪石岸ニ聳チ、一切前景ヲ遮ルアリ、両人即チ池ヲ....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
し、それよりもっと驚いたのは、その屋敷内が整然と、掃除が行き届いているにも似て、寂と人気のないことで、あたかも無住の寺のようであった。 しかしじっと耳を澄ま....
環礁」より 著者:中島敦
私のその日の日記を見ると、こう書いてある。「忽《たちま》ち鳥の奇声を聞く。再び《げき》として声無し。熱帯の白昼、却つて妖気あり。佇立《ちょりつ》久しうして覚....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
病院に行って病室の番号を聞いて心を躍らせながらその病室の戸を開けて見ると、室内はとして、子規居士が独り寝台の上に横わっているばかりであった。余は進んでその傍に....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
、足許が辿々しい。 さ、さ、とお絹の褄捌きが床を抜ける冷たい夜風に聞えるまで、然として、袖に褄に散る人膚の花の香に、穴のような真暗闇から、いかめの鬼が出はし....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
、左前頭部に一弾を受けて、ジーナが血煙立てて倒れたのも、またこの辺であろう。万籟として声を呑む、無人の地帯にただ一人、姉の死体を湖の中へ引き摺り込むスパセニア....