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闇屋
「闇屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
闇屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
、酒も煙草もやらない。我慢しているのでは無く、ほしくないのだ。細君がそれを全部、
闇屋《やみや》に売って、老母や子供のよろこぶようなものを買う。ケチでは無いのだ。....
「世相」より 著者:織田作之助
がす。ところが闇市でこっそり拡げた風呂敷包にはローソクが二三十本、俺だけは断じて
闇屋じゃないと言うたちゅう、まるで落し話ですな。ローソクでがすから闇じゃないちゅ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
クに移すのは面倒《めんどう》だ、今夜はこのままにして、後は明日のことにしようと、
闇屋《やみや》の旦那はこのところ聊《いささ》か過労の体《てい》にて、寝椅子の上へ....
「海底都市」より 著者:海野十三
―」 「よせよ。そんな気が変になるみたいな話は。それよりも、どこかで、一本十円の
闇屋《やみや》の飴《あめ》をおごってくれよ。その方がありがたい」 「だめだなあ、....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
いのであり何の暗示めいた文字も見当らなかった。口紅は金色のケースにはいっていた。
闇屋から買ったらしく高価なアメリカ製であったが、底を右にまわすと、びっくりするよ....
「続堕落論」より 著者:坂口安吾
るタブーをすて、己れの真実の声をもとめよ。未亡人は恋愛し地獄へ堕ちよ。復員軍人は
闇屋となれ。堕落自体は悪いことにきまっているが、モトデをかけずにホンモノをつかみ....
「堕落論」より 著者:坂口安吾
。大君のへにこそ死なめかへりみはせじ。若者達は花と散ったが、同じ彼等が生き残って
闇屋となる。ももとせの命ねがはじいつの日か御楯とゆかん君とちぎりて。けなげな心情....
「帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
にくらべれば、はるかにゼイタクな暮しをしているであろう。概ね小説家はそうである。
闇屋もそうである。飲食店のオヤジも、パンパンも、そうである。そうであるからわれわ....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
ろがある。戦争中は満洲に流れてゐたといふが、まつたく見るからのボヘミアン、内職に
闇屋をやつてお金をもうけてゐるなどゝいふのが、信用ができないやうな、何か痛々しい....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
の田代さんが来たものだからエッちゃんが堅くなると、 「イヤ、そのまま、私は天下の
闇屋です、ヤツガレ自身が元来これ浮気以外に何事もやらぬ当人なんだから」 実際私....
「足のない男と首のない男」より 著者:坂口安吾
経済何とか研究所、名前はすごいが社長と郡山と二人しかゐないところで、これはつまり
闇屋の品物をしかるべく取ついでやる機関なのである。 この先生はつまりまともな仕....
「母の上京」より 著者:坂口安吾
。 そのとき立直ればよかつたのだが、解散のどさくさに儲けた仕事が手蔓になつて、
闇屋をやり、その景気が封鎖の直前ごろまでつゞいた。立直るといつても、元々好かない....
「光は影を」より 著者:岸田国士
ると、弟|深志は今や、うまく行つて大学生か。それとも、中学を終つて平凡な腰弁か?
闇屋の手先などになつていてくれなければよいが。上の妹|多津は、ほんとなら、もう家....
「鬼」より 著者:織田作之助
をいえ。金を借りるんだ」 「家でも買う金が足りないのか」 「からかっちゃ困るよ。
闇屋に二千円借りたんだが、その金がないんだ」 「二千円ぐらいの金がない君でもなか....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
くましくも行商に来ていた。東京では首を長くして持ちこがれているという様子が、彼ら
闇屋の目には鋭く映るのだろう。寿司屋を始めようが、料理屋をやろうが、カツギヤにさ....