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「闇雲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

闇雲の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
入れ札」より 著者:菊池寛
人物 国定忠治 稲荷の九郎助 板割の浅太郎 島村の嘉助 松井田の喜蔵 玉村の弥助 並河の才助 河童の吉蔵闇雲の牛松 釈迦の十蔵 その他三名 時所 上州より信州へかかる山中。天保初....
風琴と魚の町」より 著者:林芙美子
うどん粉つけて、雪の肌いなりゃア、安かものじゃ」 悲しさがこみあげて来た。父は闇雲《やみくも》に、巡査に、ビンタをぶたれていた。 「馬鹿たれ! 馬鹿たれ!」 ....
アンドロギュノスの裔」より 著者:渡辺温
でも、何しろ、肝心な妾の方にはそんな心当りはちっともないのですし、ひょっとそんな闇雲な己惚れを出して、それこそ如何な辛い恥をかかなければならないかも知れないし。....
今日の条件」より 著者:豊島与志雄
、多くの信条、多くの信念が、次々に崩壊してゆくのを見た後のことだ。而もまだ戦争の闇雲は晴れていない。その上に原子力時代に突入している。不安な思惟はなるべく堅固な....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ていた。鶴見が『万葉』を好んでいたのを感づいて知っていたからである。 うばたまの闇雲いそぐかごの中に 富士を見ながらむすこ行く見ゆ これなどどうですと高笑いを....
魔都」より 著者:久生十蘭
まっちゃ大変だ」 巡査と言う一声をきくと、花は急に逆上したような眼付になって、闇雲に西側の門の方へ駆け出そうとするのを赭熊は引戻し、 「馬鹿々々、そっちへ行っ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
はない。……おれに痺れ薬を嚥ませてその間に早駕籠の用意をし、痺れがとれたらおれが闇雲に飛び出すのを見越して、古梅庵の角で待っていやがったんだ。……こうまで馬鹿に....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
一ツ橋御門へ入ろうとすると、いきなり門内からむさんに飛びだして来たやつがあって、闇雲《やみくも》に駕籠の曳扉《ひきど》のあたりにえらい勢いで体あたりをくれた……....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
「美濃清、御用だ」 件《くだん》の男は、げッ、と息をひいて、つんのめるように闇雲《やみくも》に駈け出した。と見るうちに、もやい合った夏草に足を取られて俯伏せ....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
るのはいかにも残念。ともかくまず逃げるに限ると、期せずして二人が手を取り合って、闇雲に駆け出そうとすると、土堤の右手の壕《ほり》のようなところから、鉄甲《てつか....
小説 円朝」より 著者:正岡容
なんて荒寺の小僧にされてしまったのだ。 この寺の役僧をしている腹違いの兄玄正が闇雲に反対して芸人を止めさせ、自分の手許へ引き取ってきてしまったからだった。 ....
入れ札」より 著者:菊池寛
みんなは命を捨てて働いてくれた。平生は老ぼれて、物の役には立つまいと思われていた闇雲の忍松までが、見事な働きをした。 そうした乾児達の健気な働きと、自分に対す....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
ろうのう?」 「犬でげすけえ?」 「うん。」 「どこから銜えて来たもんかそいつあ闇雲わからねえが、発見《めっけ》た野郎の口っ振りじゃあなんでも小舟町――。」 「....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
。 運転手は一生懸命であった。 この第五のパンクが騒ぎとなった。 ところへ闇雲に後から驀進して来た一つの高級自動車があった。あの露西亜風の駅逓の前に見たの....