»
闊
「闊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
闊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
やかな御姿は一生忘れようもございますまい。しかもこの御姫様は御気象も並々ならず御
闊達《ごかったつ》でいらっしゃいましたから、なまじいな殿上人などは、思召しにかな....
「影」より 著者:芥川竜之介
太い籐《とう》の杖《つえ》を引きずりながら、のそのそ陳の側へ歩み寄った。そうして
闊達《かったつ》に鳥打帽を脱ぐと、声だけは低く挨拶《あいさつ》をした。
「陳さん....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
よく私の友だちに似ているので、あの似顔絵《にがおえ》の前に立った時は、ほとんど久
闊《きゅうかつ》を叙《じょ》したいくらい、半ば気味の悪い懐しささえ感じました。ど....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
は母の声だった。「何をしているんです?」「氷を壊《こわ》しているんだよ」自分は迂
闊《うかつ》を恥《は》じながら、「電燈をつければ好《い》いのに」と云った。「大丈....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
毛利先生に対する温情が意識の表面へ浮んで来た。一そ自分もあすこへ行って、先生と久
闊《きゅうかつ》を叙し合おうか。が、多分先生は、たった一学期の短い間、教室だけで....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
考察も混乱している。精神の一張一緩ももとより混乱を免れない。 自分は一日大道を
闊歩しつつ、突然として思い浮んだ。自分の反抗的奮闘の精力が、これだけ強堅であるな....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ろで、縁談の事に就いて、とこう謂うつもりでなく、また言われる筋でもなかったが、久
闊振ではあり、誰方も留守と云うのに気抜けがする。今度来た玄関の書生は馴染が薄いか....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
間界とは没交渉な、ほかの生物かと思われるほどに冷やかな顔をしていた。 多くの迂
闊な人たちは往来で彼に近づいても気が付かなかった。そうして、眼も眩むような立派な....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
が可笑とて、しばしば血を吸いて、小親来て、わびて、引放つまでは執念く放たざりし寛
闊なる笑声の、はじめは恐しかりしが、果は懐しくなりて、そと後より小さき手に目隠し....
「露肆」より 著者:泉鏡花
前、三銭はするぜ、買っとくんねえ、あ、あ、あ、」 と引捻れた四角な口を、額まで
闊と開けて、猪首を附元まで窘める、と見ると、仰状に大欠伸。余り度外れなのに、自分....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
りようをしたものだろうと思ったからである。だが、朝の山路はいい。殊に雨に洗われた
闊葉樹林の路を下るのはいい。二人はいつの間にか元気になって、ストンストンと速足で....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
にあらず。その改宗転派の日を待ちて、はじめて人民の知識を進歩せんとするは、実に迂
闊の策といわざるべからず。例えばここに幼児あり、これに薬を与えんとす。他人これを....
「西航日録」より 著者:井上円了
午後、はじめてカルカッタ府に入津す。河流をさかのぼることここに二日、その間四面広
闊として、山岳はもちろん、丘陵だも見ることを得ず。実に大国の地勢なり。カルカッタ....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
くにして、遠く碧天に接し、上り下りの帆影、真艫に光を射りて、眩きまでに白し。其の
闊大荘重の景象、自ら衆川の碌々に異れり。 乗り移るや否、船頭直に櫓を執り、熟地....