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闖入
「闖入〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
闖入の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
あ野暮を言わずに取っときたまえてことさ」 六十六銭五厘はまさに御者のポケットに
闖入《ちんにゅう》せんとせり。渠は固《かた》く拒《こば》みて、 「思し召しはあり....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
場に棒立ちになった。向うの大通りから、ヘッドライトをらんらんと輝かして自動車隊が
闖入してきた。僕はツと壁ぎわに身を隠した。 「ああ――、静まれ、静まれ。いま重大....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
かかったのであった。素人にしては、まことに水ぎわ立った上出来の芸当だった。後から
闖入して屍体を奪っていった痣蟹をみすみす見逃がしたのも、彼がこの耳飾りの宝石を手....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
つ》と沸騰《ふっとう》を始めた。しかし帆村はそんなことを知らない。 美しき
闖入者《ちんにゅうしゃ》 田鍋課長の知っていることを帆村は知らず、帆村の知って....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
内を取戻してくれエ」と騒ぎ立てたし、同席の警官たちにもその職務柄かの贋警視一行の
闖入脱出について騒ぎ立てたのである。それから騒ぎは検察本部へ波及し、それから賑か....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
夫人たちの落人だろう。絶世の美女だ。しゃつ掴出いて奉れ、とある。御近習、宮の中へ
闖入し、人妻なればと、いなむを捕えて、手取足取しようとしたれば、舌を噛んで真俯向....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
侯の居間の中にあると思うんだ。尤も、これまでにメントール侯の居間は、幾度も秘密の
闖入者のために捜査されたらしいが、遂に一物も得なかったという。だから、宝物はまだ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
てきたまえ」 僕は、そのときもまだ疑っていた。しかしベラン氏に連れられて、中へ
闖入し、氏の指さす戸棚を攀じ登って、その上から硝子窓越しに隣室の光景を俯瞰したと....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
であります」 「もうわかった。そんなことはどうでもよい。わしの室へ、物取のように
闖入するなんて、無礼ではないか。な、何用ではいってきたのか」 「いや、その御挨拶....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
脚が立った、と思うと、真黒な面がぬいと出ました。あ、この幽艶清雅な境へ、凄まじい
闖入者! と見ると、ぬめりとした長い面が、およそ一尺ばかり、左右へ、いぶりを振っ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
う。それもあとで聞いたので、小県がぞッとするまで、不思議に不快を感じたのも、赤い
闖入者が、再び合掌して席へ着き、近々と顔を合せてからの事であった。樹から湧こうが....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
わしきに過ぎ、又|入神状態に於て口で喋るのは、その全部を保存し難く、又潜在意識の
闖入を、充分に防止し得るとは保証し難い所がある。 『私は一冊の手帳を求め、平生こ....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
金を懸けて二人の自衛団が危険を冒してやっとこさと垣根を越えて、内外相応じて一斉に
闖入し、阿Qを抓み出して廟の外の機関銃の左側に引据えた。その時彼はようやくハッキ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
にぶつぶついう声がみなぎっているのだ。ところが突然その静粛を破って、黒人がひとり
闖入してきた。麻屑製の上衣とズボンを着て、マーキュリーの帽子のような、ふちのない....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
亜米利加の排日案通過が反動団体のヤッキ運動となって、その傍杖が帝国ホテルのダンス場の剣舞隊
闖入となった。ダンスに夢中になってる善男善女が刃引の鈍刀に脅かされて、ホテルのダ....