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「闘志〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

闘志の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
章三は偶然というものを信じていた。自分の事業家としての才能や、頭脳回転の速度や、闘志は無論信じていたが、それ以上に偶然を信じていたのだ。 爪楊枝けずり職人の家....
恩を返す話」より 著者:菊池寛
宗教的儀礼の一部であるように見えた。 甚兵衛も、かかる老人に対しては、なんらの闘志もなかったが、余りにしつこくつきまとうので、仕方なく一刀を肩口に見舞うた。 ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
はぐったりしていた。彼は、アメリカに籍はあるがチェコ人。精悍《せいかん》、不屈の闘志は面がまえにも溢れている。三十代に、加奈陀《キャナディアン》ロッキーの未踏氷....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
の艦船が大した損害を受けなかったことを君は不思議に思わんかね」 ホーテンスは、闘志満々たるところを示して、この期になお同業者と討論を持ちかける。 「不思議は不....
蠅男」より 著者:海野十三
下のところ読者諸君はやむなく、村松検事以下の検察当局の活動と、青年探偵帆村荘六の闘志とに待つよりほかに蠅男の正体を知る手がないのである。 鬼か人か、神か獣か?....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
寂しさを見せてはいるが、腰の骨盤は蜂型にやや大きい。そこに母性的の威容と逞ましい闘志とを潜ましている。 蒼空は培養硝子を上から冠せたように張り切ったまま、温気....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
、一歩のわれの勝利であり、その勝利の美魚を自分に隷属させることが出来ると、強いて闘志を燃し立てた。ここのところを考えて、しばらく、忍ぶべきであると復一は考えた。....
単独行」より 著者:加藤文太郎
んでみると相当満員のうえ皆よく寝ている。とても僕にはそれを起す勇気は出ない。僕は闘志を強くするために山へ行くのだと思っていたが、どうしたわけか山へ深入りするほど....
応仁の乱」より 著者:菊池寛
くて終熄したと云うわけでない。東軍には尚細川政国、西軍には大内政弘、畠山|義就等闘志満々たる猛将が控えて居る。併し両軍の将士に戦意が揚がらなくなったことは確かだ....
光は影を」より 著者:岸田国士
すが、やつぱり、読む方もちつとはやつておかれたらどうです」 京野等志は、この、闘志満々という風貌のどこに、英語を喋つてみたい欲望がひそんでいるのかわからなかつ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
た、名人と名人との試合であった。自然態度に品位があり、無理に勝とうの邪心がなく、闘志の中に礼譲を持った、すがすがしい理想的の試合であった。 今の時間にして二十....
文学的饒舌」より 著者:織田作之助
おその状態が変らない。僕は相変らずたたかれて、相変らず何くそと思って書いている。闘志で書いているようなものだ。東京の批評家は僕の作品をけなすか、黙殺することを申....
夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
水道を、白波たつ波頭を蹴散らし蹴散らし、いささかのセンチを目に浮べて、悲喜交々、闘志を抱いて渡る関門の海峡を、逆に白波を追っていた連絡船の中で、夢野久作の正体を....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
の態度を執り、前例になく彼自身将として征途に上ったのであったが、泰衡の方ではもと闘志なく、一意恭順を旨としてさきには命のままに義経を殺し、次いで六月二十六日には....
審判」より 著者:カフカフランツ
た袖のシャツがひろがっていた。 ある朝、Kはいつもよりずっと気分がさわやかで、闘志にあふれていた。裁判所のことはほとんど考えなかった。裁判所を思い出しても、こ....