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闘犬
「闘犬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
闘犬の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
るのにつれて、益々強くなるらしかった。この点ではこの若者たちも闘鶏《とうけい》や
闘犬《とうけん》の見物《けんぶつ》同様、残忍でもあれば冷酷でもあった。彼等はもう....
「花火」より 著者:太宰治
それこそ爪の垢《あか》ほども無く、幼い頃から、ひどく犬が好きで、中学校の頃には、
闘犬を二匹も養っていた事があった。強い犬が好きだった。犬に飽《あ》きて来たら、こ....
「道標」より 著者:宮本百合子
だ、どっちがつよいか、どっちが勝つかなんていうところからだけ見ているなら、結局、
闘犬見物みたいなもんですよ。――
闘犬にだって、ひいきはあるでしょう、かたせたい側....
「文学と地方性」より 著者:宮本百合子
終りにしろ、その本質は同じであるが、ずっと終りまで読み、本を伏せ、「麦死なず」「
闘犬図」その他の作品にあった空気を思いおこし、つづいてこの頃の石坂氏の短篇にある....
「放浪の宿」より 著者:里村欣三
のようにカッとした。それでそのまま、焼火箸に尻餅をついたような撥ね上がりかたで、
闘犬みたいな唸り声をたてて黒眼鏡に夢中で飛びかかった。それまではよかったが「うぬ....
「十姉妹」より 著者:山本勝治
を忘れていなかった。左右から警官に掴まれたその男は、荒々しい胸毛の胸をはだけて、
闘犬の様に吠え立てた。 「俺は、白東会の前川だ、正成じゃないが、七度生れ変って国....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
寨を攻撃したのである。四個の砲門は互いに恐ろしく反響をかわした。
それら陰惨な
闘犬の吠《ほ》え声は、互いに応《こた》え合ったのである。
今やシャンヴルリー街....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
亮――「まさか、俺も、次郎の前でけしかけるようなことは言わんつもりだよ。あいつを
闘犬に仕立てるつもりじゃないからな。」 お浜――「まあ。」 お民――「すぐ宅はあ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
へ持って行くことができるかも知れない。 ホンモノの大きな秋田犬というと、人々は
闘犬、ケンカを考える。東京で私に秋田犬のことを教えてくれた四人の物知りたちも、秋....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
出されていたものだろう。 現執権高時の田楽(土俗的な歌舞)ずきも、狂に近いが、
闘犬好みは、もっと度をこしたものである。鎌倉府内では、月十二回の上覧
闘犬があり、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、一令これぐらいな軍はいつも動かしうる実力あっての鎌倉幕府なので、田楽や白拍子や
闘犬や、それらの遊戯|三昧のみで、万戸の炊煙が賑わっていたわけではない。 御家....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ら、踊りに踊ってみたのである。 「おもしろい!」と彼は絶讃していた。そして従来の
闘犬興行とあわせ、これも彼の病みつきになりかけていたものだった。 「あいや、今宵....
「俗臭」より 著者:織田作之助
ず、うやむやにしていた。権右衛門は伝三郎が近頃七百円もする土佐犬を飼い、おまけに
闘犬に勝ったといっては犬の鎖や土俵入りの横綱に大枚の金を使ってるときいて業を煮や....