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防寒具
「防寒具〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
防寒具の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
、その質《かた》に、お島の体があずけられる事になったのであった。
寒い冬空を、
防寒具の用意すらなかった兄の壮太郎は、古い蝙蝠傘《こうもりがさ》を一本もって、宛....
「雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
水まで汲み込んだ樽が置いてあり、竈《かまど》の側には、薪が三把ほど転がっている、
防寒具を整えて来なかったが、これで焚火《たきび》に事欠かないと解って、仮令《たと....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
いても迷うこともなく、ラッセルも楽だし、途中ところどころに小屋があり、中ノ湯等は
防寒具もあるうえ松本から一日でくるのも困難ではないようだから徳本峠よりズッと安心....
「橇」より 著者:黒島伝治
晩に、どこかへ大隊長が出かけて行く、すると彼は、靴を磨き、軍服に刷毛をかけ、
防寒具を揃えて、なおその上、僅か三厘ほどのびている髯をあたってやらなければならな....
「火星兵団」より 著者:海野十三
げしいから、我々人間がそれにたえることが出来るかどうかという心配もあるが、これは
防寒具を持って行けば、何とかなるだろうと思う」
「また、火星へ移住するためのロケ....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
うかべて云った。「じゃ大胆に『危難の海』の南に聳えるコンドルセに着陸しよう。皆、
防寒具に酸素|吸入器を背負うことを忘れないように。……では着陸用意!」 「着陸用....
「虎狩」より 著者:中島敦
。一行は私をいれて四人の他に、もう一人、これはどちらの下僕か知らないが、主人達の
防寒具やら食糧やら弾薬やらを荷《にな》った男がついて来ていた。 汽車に乗ってか....
「雪のシベリア」より 著者:黒島伝治
「おい、兎をうつのに実弾を使ってもいゝのかい。」 小村も、吉田がするように、
防寒具を着けながら、危ぶんだ。 「かまうもんか!」 「ブ(上等看護長のこと)が怒....
「氷河」より 著者:黒島伝治
汽車に乗ってイイシの警戒に出かける命令を受けた。汽車には宵のうちから糧秣や弾薬や
防寒具が積込まれた。夕闇が迫って来るのは早く、夜明けはおそかった。 栗本は、長....
「平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
に旺盛ではないし、人夫も比較的に閑暇であるから便利だというのである、余分の日子と
防寒具の用意をして初冬に登るべきである。 人夫は本年四人を連れていっているから....
「寒中滞岳記」より 著者:野中至
妻《さい》登山し来《きた》りたり、それより飲料に供すべき氷雪の収拾、室内の掃除、
防寒具の調製、その他|炊事《すいじ》一切《いっさい》の事を同人に一任し、予は専《....
「山道」より 著者:中里介山
の方が盛んである。 「ナポレオンが露西亜《ロシア》を敗走したのを単に寒気の襲来と
防寒具の不足とに帰するような頭で、万象の葛藤を批判論断されてはたまりません……」....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
出る温みを遮断するために用いるのはちょっと面白いが、考えて見るまでもなくすべての
防寒具の目的とするところは結局同じことなのである。 手袋をはめると仕事は益※面....
「I駅の一夜」より 著者:中谷宇吉郎
ふとん》がないから泊められないと言う。これだけでもひっかかりが出来れば脈がある。
防寒具は持っているから、とにかくこの雪では外で寝るわけには行かないからと頼んでみ....
「雪雑記」より 著者:中谷宇吉郎
断《しゃだん》するために用いるのはちょっと面白いが、考えて見るまでもなくすべての
防寒具の目的とするところは結局同じことなのである。手袋をはめると益々《ますます》....