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「防水布〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

防水布の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明暗」より 著者:夏目漱石
なかった。 津田はそれなり手術台に上《のぼ》って仰向《あおむけ》に寝た。冷たい防水布がじかに皮膚に触れた時、彼は思わず冷《ひや》りとした。堅い括《くく》り枕《....
俘囚」より 著者:海野十三
立たしげに、メスを解剖台の上へ抛《ほう》りだした。屍体の上には、さも大事そうに、防水布《ぼうすいふ》をスポリと被《かぶ》せて、始めて台の傍を離れた。 夫は棚か....
恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
になるものは、目のこまかい鎖網《くさりあみ》であった。その上に絹製《きぬせい》の防水布《ぼうすいふ》と思われるものがかぶせてあり、これが、恐龍の皮膚と同じ色をし....
単独行」より 著者:加藤文太郎
は絶食しても歩ける自信はあった。しかしこの湿気の多い風と雪は、信州の山では完全な防水布の手袋や防寒具をわけなくしめらせて、肌着まで濡れてきた。手もそろそろ感覚が....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
らはさも気易そうな態度で、折鞄に詰めて来た消毒器やメスやピンセットを縁側に敷いた防水布の上にちかちか並べた。夏もすでに末枯れかけたころで、ここは取分け陽の光にい....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
二尺の先を見つめるのが、精々の努力である、そのうちに霧とも言われない大粒の雨が、防水布の外套を、パチパチ弾いて、飛び散る水玉が、石にまで沁みこむようになった、手....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
しく立ち働いていて、砲身の被筒と言っている、航海中はそれに被せてあったあの丈夫な防水布の覆いを取除けているのだった。それだけではなかった。同時に私の心にぱっと思....
」より 著者:森鴎外
えて、家主が出て来て案内をする。渋紙色の顔をした、萎びた爺さんである。 石田は防水布の雨覆を脱いで、門口を這入って、脱いだ雨覆を裏返して巻いて縁端に置こうとす....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
二度六分、女王シャーロット島を遠望する海上であった。 日が暮れると、同時に重い防水布を張り、電球は取り除かれて、通風口は内部から厚い紙で蓋をしてしまった。操舵....
接吻」より 著者:神西清
砲にしてからが、みっともない恰好だった。砲の前車には燕麦の袋が積込まれて、それに防水布の覆いがかけてあるし、砲身はというと、べた一面に茶沸かしだの、兵隊の背嚢だ....
オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
歩いていくと、二人の男が暗い斜面からプラットフォームへあがってきたが、その二人は防水布でおおった担架をかついでいた。担架がプラットフォームへあがると、人々は両が....