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「防空壕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

防空壕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
の望楼から鳴りだした。英などがまだぐずぐずしているのを叱りつけるようにせきたてて防空壕内に入れる。 この壕は、昭和十六年一月に一千円ばかり費やして作った。檜材....
骸骨館」より 著者:海野十三
…はい、何もかも申し上げます。わ、私がかくしましたので……ここへ掘りました。館内防空壕の奥でございます。その奥をもう少し穴を掘りまして、そこへかくしておいたので....
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
母親は、聞きかえしていたが、やがて二郎の頭をなでて、 「二郎や。兄ちゃんは、防空壕《ぼうくうごう》を掘っているのだよ。出来たら、お前も入《い》れてお貰《もら....
人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
3 醤主席は、今や極上々の大機嫌であった。 彼は、毎朝早く起きて、砂漠の下の防空壕を匐いだすと、そこに出迎えている常用戦車の中に乗り込み、文字どおり砂塵を蹴....
今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
吊しておいた非常袋を掴むが早いか、部屋をとびだして、街路を駈けだした。目標の市民防空壕は、五百ヤードの先である。 息せき切って防空壕に辿りついたはいいが、ふと....
地軸作戦」より 著者:海野十三
へんたいへん、大洪水だ。何しろ氷山も雪原も一度に融けだしたんだから、町という町、防空壕という防空壕は水浸しになり、水かさはどんどん殖えていく。この新クレムリン宮....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
は、畦道をすっとんで、舗道の上へおどりあがった。きょろきょろ四周を見まわしたが、防空壕らしいものはなかった。 「どうしよう?」 彼は途方に暮れて、なおもうろう....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
負うことは平気であった。ここが、級友や教師に買われたのかも知れない。 その頃は防空壕を掘ったり、土をはこんだり、畠でいもをこしらえたり、正式の教室内の授業より....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
をあけて火の手を見るだけの興味も起らず暗闇の部屋にねころんでおり、荷物をまとめて防空壕へ投げこんで戻るたび、あっちへも落ちた、こっちにも火の手があがったというけ....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
ことができた。 そのときは無事であったが、すぐそのあとで燈火管制の道を歩いて、防空壕へ落ちてケガをし、一チョウラの洋服のズボンの膝を半分の余もさいてしまった。....
神経」より 著者:織田作之助
跡を掘りだしていて、私の顔を見るなり、 「わては焼けても千日前は離れまへんねん」防空壕の中で家族四人暮しているというのである。 「――鰻の寝間みたいな狭いとこで....
起ち上る大阪」より 著者:織田作之助
が無いわけでもなかったが、縁故疎開も集団疎開もしようとせず、一家四人、焼け残った防空壕の中で生活しているのである。 「防空壕やったら、あんた、誰に気兼遠慮もいら....
余齢初旅」より 著者:上村松園
の女の子が一番かせぐらしい。自分が先に立ってどんどん案内してゆく。寺の奥の方には防空壕があった。今はそれも名物のひとつになってしまっている。暗い内部をローソクを....
中支遊記」より 著者:上村松園
々のものは何ともなっていなかった。その寺の奥には、寝床、便所、風呂場もある大きな防空壕が廃墟のように残っている。いずれ支那兵あたりが使用したものであるが、いまは....
恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
をかねた小さい家を建ててもらって、そこに住んでいるのです。恰度空襲当時、模範的な防空壕だと云われた壕を地下室に利用して、その上に建てたものなのです。本邸の一部と....