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阻
「阻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
阻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
のキャラメルだのを眺めている。これは一介《いっかい》の商人ではない。我々の生命を
阻害《そがい》する否定的精神の象徴《しょうちょう》である。保吉はこの物売りの態度....
「或る女」より 著者:有島武郎
のないさびしさはいや増すばかりだった。葉子はふと定子を懐妊していた時のはげしい悪
阻《つわり》の苦痛を思い出した。それはおりから痛ましい回想だった。……定子……葉....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
差し出口をもって混濁し、なんらかの意味において実際上の事の進捗《しんちょく》をも
阻礙《そがい》するの結果になるだろう」と。この立場からして私は何といっても、自分....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
しなかった結論に到達しているのである。「国家は強大でなければならぬ。我々はそれを
阻害《そがい》すべき何らの理由ももっていない。ただし我々だけはそれにお手伝いする....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
をもなし得てはいないのだ。そしてこの浅ましい行為によってお前は本当の人間の生活を
阻害し、生命のない生活の残り滓を、いやが上に人生の路上に塵芥として積み上げるのだ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ーマン及びヘルムホルツ/恒星の数は無限か/暗黒な天体や星雲が天空一面に輝くことを
阻止する/物質の不滅/スピノザ及びスペンサーの説/ランドルトの実験/エネルギーの....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
器の進歩は既に散兵の時代となりつつあったのに、社会制度がフランス革命まで、これを
阻止していたと見ることができます。 プロイセン軍はフリードリヒ大王の偉業にうぬ....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
の平原を、焼岳の麓まできた時に、神の香炉から流れ出たラヴァはたちまちにその流れを
阻んだ。岩に激してきた水は、焼岳の麓の熊笹をひたし、白樺の林をひたして対岸の霞沢....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
ような、ピンと張った恐ろしく鳴りの高い調子な時もあるし、またもう自分の行く道は皆
阻まれてしまったのだ、これから先苦しんで働いて見たところでやはり何にも大したこと....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
した。 いつもとは異なり、その日は修行場の裏山から、奥へ奥へ奥へとどこまでも険
阻な山路を分け入りました。こちらの世界では、どんな山坂を登り降りしても格別疲労は....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
である。彼等は狡知猾才にとめる邪悪霊を首領と仰ぎ、百方手を尽して、われ等の聖業を
阻害せんとしつつあるので、その悪戯は極めて巧妙、その行動は甚だ敏活、巧みにわれ等....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
……思いつきで、幽霊は、射的店で借りた。――欣七郎は紳士だから、さすがにこれは
阻んだので、かけあいはお桂さんが自分でした。毛氈に片膝のせて、「私も仮装をするん....
「米」より 著者:犬田卯
った。厄介な存在がまた一人殖える――いまやそれが確定的だったのだ。健康な彼女は悪
阻に悩むようなことはまず無いと言ってよかったのであるが、それにしてもさすがに自分....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
法の改正によって財閥の復活を意図しておるのであります。今にしてこの反動逆コースを
阻止せんとするにあらざれば、日本は財閥独裁、警察国家を再来いたしまして、日本国民....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
参加しなかったのである。 カールは再戦を辞せぬ決心であったが、ザクセン軍は志気
阻喪して十二月二十五日遂にドレスデンの講和成立し、ブレスラウ条約を確認せしめた。....