阿母[語句情報] » 阿母

「阿母〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

阿母の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
片恋」より 著者:芥川竜之介
行って見たんです。」――これはいいが、その後《あと》が振っている。「一度なんか、阿母《おっか》さんにねだってやっとやって貰うと、満員で横の隅の所にしか、はいれな....
捨児」より 著者:芥川竜之介
ていたのであった。 しばらく沈黙が続いた後《のち》、私は客に言葉をかけた。 「阿母《おっか》さんは今でも丈夫ですか。」 すると意外な答があった。 「いえ、一....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
胸をせめそうな気がしたそうです。泰さんは娘の顔を見ると、麦藁帽子を脱ぎながら、「阿母《おっか》さんは?」と尋ねました。すると娘は術なさそうな顔をして、「生憎《あ....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
学校で要《い》る教科書が買えなかったので、親仁《おやじ》が思切《おもいき》って、阿母《おふくろ》の記念《かたみ》の錦絵を、古本屋に売ったのを、平さんが買戻《かい....
婦系図」より 著者:泉鏡花
旁々お邸を出るとなると、力業は出来ず、そうかと云って、その時分はまだ達者だった、阿母を一人養わなければならないもんですから、奥さんが手切なり心着なり下すった幾干....
朱日記」より 著者:泉鏡花
の児にも取らせて、そして言う事が妙ではないか。 (沢山お食んなさいよ。皆、貴下の阿母さんのような美しい血になるから。) と言ったんだそうだ。土産にもくれた。帰....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
濁り酒のかすに酔って、田圃の畝に寝たもんです。…… その妹だね、可いかい、私の阿母が、振袖の年頃を、困る処へ附込んで、小金を溜めた按摩めが、ちとばかりの貸を枷....
女客」より 著者:泉鏡花
てね。」 主人は大胡座で、落着澄まし、 「吝なことをお言いなさんな、お民さん、阿母は行火だというのに、押入には葛籠へ入って、まだ蚊帳があるという騒ぎだ。」 「....
縁結び」より 著者:泉鏡花
時だったから、唾をつけて、こう引返すと、台なしに汚すと云って厭がったっけ。死んだ阿母が大事にしていた、絵も、歌の文字も、対の歌留多が別にあってね、極彩色の口絵の....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
も婆さんなら、自分に伯母が一人、それもお婆さん。第一近い処が、今内に居る、松やの阿母だといって、この間隣村から尋ねて来た、それも年より。なぜあんなに恐ろしかった....
露肆」より 著者:泉鏡花
の取的が仕切ったという逃尻の、及腰で、件の赤大名の襟を恐る恐る引張りながら、 「阿母。」 などと敬意を表する。 商売|冥利、渡世は出来るもの、商はするもので....
有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
要があるので、お銀はまずせがれの友之助に相談すると、かれは故障なく承知した。 「阿母さんさえ好いというお考えならば、わたしに異存はありません。」 そこで、友之....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
に謡曲の師匠。その間に兵右衛門さまは御病死、後は金三郎様が矢張謡曲と手習の師匠、阿母様の鶴江様が琴曲の師匠。その鶴江様が又御病死の前に、重い枕下へ金三郎様をお呼....
三枚続」より 著者:泉鏡花
また慌てて、 「その、何でございまして、へい。」 「佃島のは達者かい。」 「ええ阿母でございますか、ええ、ぴんぴんいたしております。ええ毎日のようにもお伺い申し....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
と内約が結んである。どうじゃ、親仁。お国のため。――はッというので、近常さん、(阿母喜んで下さい。)と、火鉢で茶を入れていたおふくろさんと、課長殿の顔を見て、濃....