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阿鼻
「阿鼻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
阿鼻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《みおしえ》に悖《もと》るものは、一旦|命終《めいしゅう》の時に及んで、たちまち
阿鼻叫喚《あびきょうかん》の地獄に堕《お》ち、不断の業火《ごうか》に皮肉を焼かれ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
右往左往と駆け違って、ひとときまえの極楽山はたちまち騒然と落花|狼藉《ろうぜき》
阿鼻《あび》叫喚の地獄山と変わりました。 だが、名人はいかにもおちついているの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
逃げ惑って海のなかへ転げ落ちたものが幾百人と伝えられている。 こうした怖ろしい
阿鼻叫喚《あびきょうかん》のまん中へ飛び込んだ二人は、いくら物馴れていてもさすが....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
殺して呉れッ」 「あーれーッ」 と、此の世の声とは思えぬ恐ろしい悲鳴が聞えた。
阿鼻叫喚とは、正に、その夜のことだったろう。 その狂乱の巷の真ッ唯中に、これは....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ちが先へ撃ちだしたのか分らなかった。忽ち室内の電灯はサッと消えて、暗黒となった。
阿鼻叫喚の声、器物の壊れる音――その中に嵐のように荒れ狂う銃声があった。正面と出....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
ひっきりなしに聞える炸裂音、そのたびに、蒼白い閃光が、パッと焔と煙をつらぬいて、
阿鼻叫喚の地獄絵巻とはまったくこのことだった。 戸倉老人と春木、牛丸の二少年は....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
く者、縛られたまま転げ廻る者、呪詛いの声を上げる者、……部屋の内はそれらの声で、
阿鼻地獄を呈していた。 人の類も様々であった。まず女から云う時は、町家の娘、ご....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
、地軸が裂けるような一大音響をたててとうとう横たおしにたおれてしまい、地上は忽ち
阿鼻叫喚の巷と化し、土煙と火焔とが、やがて租界をおし包んでしまったこと、そして礎....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
なさで、あわれや、かぼそい、白い女が、紅蓮、大紅蓮、……」 ああ、可厭な。 「
阿鼻焦熱の苦悩から、手足がはり、肉を切こまざいた血の池の中で、悶え苦んで、半ば活....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
敷り、出刃庖丁をドギドギと研いでいて、納戸の炉に火が燃えて、破鍋のかかったのが、
阿鼻とも焦熱とも凄じい。……「さ、さ、帯を解け、しての、死骸を俎の上へ、」という....
「関東防空大演習を嗤う」より 著者:桐生悠々
民の狼狽目に見るが如く、投下された爆弾が火災を起す以外に、各所に火を失し、そこに
阿鼻叫喚の一大修羅場を演じ、関東地方大震災当時と同様の惨状を呈するだろうとも、想....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
に湯玉の散るのも聞えはしないが、こんな山には、ともすると地獄谷というのがあって、
阿鼻叫喚が風の繞るごとくに響くと聞く……さては……少い女が先刻―― (ここは地獄....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
えたのである。 宇佐美で身動きできなくなったが、網代でドッと押しこみ突きこみ、
阿鼻叫喚、十分ちかくも停車して、ムリムタイにみんな乗りこんでしまったのは、網代の....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
逃げつする姿! 混乱混戦の場となったが、この時|宿もいよいよ混乱! 混乱以上に
阿鼻叫喚の焦熱地獄となりまさり火事の焔の熱気に堪えかね、空地へ耕地へ……耕地へ耕....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
うとするのであるから、押される、揉まれる、突かれる、女や子供は悲鳴をあげる。実に
阿鼻叫喚ともいうべき苦しみを凌いで、半分は夢中でどうにかこうにか場内へ押込まれて....