阿鼻叫喚[語句情報] » 阿鼻叫喚

「阿鼻叫喚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

阿鼻叫喚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《みおしえ》に悖《もと》るものは、一旦|命終《めいしゅう》の時に及んで、たちまち阿鼻叫喚《あびきょうかん》の地獄に堕《お》ち、不断の業火《ごうか》に皮肉を焼かれ....
二十世紀旗手」より 著者:太宰治
って不満顔、知らぬふりしてもとの鞘《さや》におさめていたのに、その夜の現像室は、阿鼻叫喚《あびきょうかん》、種板みごとに黒一色、無智の犯人たちまちばれて、その日....
人間失格」より 著者:太宰治
は、幸福も不幸もありません。 ただ、一さいは過ぎて行きます。 自分がいままで阿鼻叫喚で生きて来た所謂「人間」の世界に於いて、たった一つ、真理らしく思われたの....
さようなら」より 著者:田中英光
の動乱の日本で許されるなら――。だがぼくと別れ、女ひとりになったリエが、この世の阿鼻叫喚に忽まちまきこまれ、影も姿も消えうせる恐ろしさにぼくは堪えられぬ。別離と....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
かの非江戸ッ子……上は成金から下は乞食まで、あらゆる種類階級の人々と共に、一様に阿鼻叫喚の巷《ちまた》にさまようた。御同様に抱き合い、わめき合って、助かったり、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
逃げ惑って海のなかへ転げ落ちたものが幾百人と伝えられている。 こうした怖ろしい阿鼻叫喚《あびきょうかん》のまん中へ飛び込んだ二人は、いくら物馴れていてもさすが....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
殺して呉れッ」 「あーれーッ」 と、此の世の声とは思えぬ恐ろしい悲鳴が聞えた。阿鼻叫喚とは、正に、その夜のことだったろう。 その狂乱の巷の真ッ唯中に、これは....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ちが先へ撃ちだしたのか分らなかった。忽ち室内の電灯はサッと消えて、暗黒となった。阿鼻叫喚の声、器物の壊れる音――その中に嵐のように荒れ狂う銃声があった。正面と出....
少年探偵長」より 著者:海野十三
ひっきりなしに聞える炸裂音、そのたびに、蒼白い閃光が、パッと焔と煙をつらぬいて、阿鼻叫喚の地獄絵巻とはまったくこのことだった。 戸倉老人と春木、牛丸の二少年は....
時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
、地軸が裂けるような一大音響をたててとうとう横たおしにたおれてしまい、地上は忽ち阿鼻叫喚の巷と化し、土煙と火焔とが、やがて租界をおし包んでしまったこと、そして礎....
関東防空大演習を嗤う」より 著者:桐生悠々
民の狼狽目に見るが如く、投下された爆弾が火災を起す以外に、各所に火を失し、そこに阿鼻叫喚の一大修羅場を演じ、関東地方大震災当時と同様の惨状を呈するだろうとも、想....
星女郎」より 著者:泉鏡花
に湯玉の散るのも聞えはしないが、こんな山には、ともすると地獄谷というのがあって、阿鼻叫喚が風の繞るごとくに響くと聞く……さては……少い女が先刻―― (ここは地獄....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
えたのである。 宇佐美で身動きできなくなったが、網代でドッと押しこみ突きこみ、阿鼻叫喚、十分ちかくも停車して、ムリムタイにみんな乗りこんでしまったのは、網代の....
剣侠」より 著者:国枝史郎
逃げつする姿! 混乱混戦の場となったが、この時|宿もいよいよ混乱! 混乱以上に阿鼻叫喚の焦熱地獄となりまさり火事の焔の熱気に堪えかね、空地へ耕地へ……耕地へ耕....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
うとするのであるから、押される、揉まれる、突かれる、女や子供は悲鳴をあげる。実に阿鼻叫喚ともいうべき苦しみを凌いで、半分は夢中でどうにかこうにか場内へ押込まれて....