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附き
「附き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
附きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
んでいる。
女は敏子《としこ》よりも若いらしい。雨に洗われた朝日の光は、その肉
附きの豊かな肩へ、――派手《はで》な大島の羽織の肩へ、はっきり大幅に流れている。....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
《かさ》のようなものが輪どっている。頬のまわりや顋《あご》の下にも、以前の豊な肉
附きが、嘘のようになくなってしまった。僅に変らないものと云っては、あの張りのある....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
かつ》ぎこんだ。そうしてそのまわりを小屏風《こびょうぶ》で囲んで、五人の御坊主を
附き添わせた上に、大広間詰の諸大名が、代る代る来て介抱《かいほう》した。中でも松....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
「どうしたか。」 「は、早瀬さんの室を、お見舞になります時は、いつも私どもはお
附き申しませんでございます。」と爽な声で答えた。 「なぜかい。」 「奥様がおっし....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
でも然り然り否々といい切ることが出来ないから。毎時でもお前には陰険なわけへだてが
附きまつわっているから。お前は憎まれていい。辱しめられていい。悪魔視されていい。....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
へ届けました。 嘉吉の始末でござります。それなり船の荷物にして、積んで帰れば片
附きますが、死骸ではない、酔ったもの、醒めた時の挨拶が厄介じゃ、とお船頭は遁を打....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
しるこ、渠はあまい名を春狐と号して、福面女に、瓢箪男、般若の面、……二十五座の座
附きで駈出しの狂言方であったから。―― 「串戯じゃないぜ。」 思わず、声を出し....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
と、頬被のままで、後を見た、肩を引いて、 「一軒隣は按摩だと云うじゃねえか。取
附きの相角がおでん屋だッて、かッと飲んだように一景気附いたと思や、夫婦で夜なしに....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
悉しく言えば誰が取次いだという形もなしに、土間から格子戸まで見通しの框の板敷、取
附きの縦四畳、框を仕切った二枚の障子が、すっと開いて、開いた、と思うと、すぐと閉....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
ておいたのだ、と言ったが、知らず堂守の思違いであったろう。 框がすぐに縁で、取
附きがその位牌堂。これには天井から大きな白の戸帳が垂れている。その色だけ仄に明く....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
一 つれの夫人がちょっと道寄りをしたので、銑太郎は、取
附きに山門の峨々と聳えた。巨刹の石段の前に立留まって、その出て来るのを待ち合せた....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
の二つに岐れ、一|方には新田、楠木などが控え、他方には足利その他東国の武士どもが
附き随い、殆んど連日戦闘のない日とてもない有様でした……。私の父は旗色の悪い南朝....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
亦われ等の侶伴ではあり得ない。克己自制――これがいずれの時代に於ても、聖人君子に
附きものの美徳であった。苟も進展性にとめる真理の祖述者は、昔から最も少なく自己を....
「狂女」より 著者:秋田滋
そばまで来て、しきりに吼えた。 行きがた知れずになった女のことが、僕のあたまに
附きまとって離れなかった。何らかの消息を得ようとして、普魯西の官憲に対していろい....
「活人形」より 著者:泉鏡花
ず。遥か彼方に戸を閉じたる一室ありて、燈火の灯影幽かに見ゆるにぞ、要こそあれと近
附きて、ひたと耳をあてて聞くに、人のあるべき気勢もなければ、潜かに戸を推して入込....