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「附与〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

附与の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
残したまま飄然として竹林に去ってしまった。昔にあっては何が宗教にかくの如き権威を附与し、今にあっては、何が私達の見るが如き退縮を招致したか。それは宗教が全く智的....
河明り」より 著者:岡本かの子
しかし、そんな智識が私の現在の目的に何の関りがあろう。私が書いている物語の娘に附与したい性格を囁いて呉れそうな一光閃も、一陰翳もこの河面からは射して来ない。却....
三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
と、良輔は思ったが、思い出せぬ内に、寝入ってしまった。 十八 南町奉行附与力、曾川甚八が、足早に出てきて 「大作を討取ったとは、ほんとか、入れ、入るが....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
白を強要される。この一〇〇一の試問と難関をぱすした英雄にのみ西伯利亜経由の特権が附与されるのだ。 必要品――まず何よりもさきに勇気、決断、機敏、沈着。入国なら....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
世以後に漸く『百姓』の名を農耕者に限るやうになり行くと共に、これに下賤軽蔑の色を附与したるは、まさしく中間勢力の横暴の致すところなれば、日本の政治の革新は、天皇....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
でもモモンガーでもカマイタチでもデーダラボッチでもそれぞれのグロが皆相当の形体を附与されて表現されるのに、このこんばかりは誰もどんな形をして居るか説明したものは....
帝展を見ざるの記」より 著者:寺田寅彦
つかもうとする熱望|衝動が同じ方向に動こうとする吾々の心にもいくぶんかの運動量を附与しないだろうか。無論私は作家自身の心のアスピレーションと作品の上に現れたそれ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
観的であった。それが慣習となって、その効果が一面|抜目がなく如才のない性格を彼に附与した。それがために時としては狡猾とさえ思われた。 泡鳴はいつも物質に惑溺し....
人工心臓」より 著者:小酒井不木
か。で、私は、肺臓の細胞にこそは、地中のバクテリアのように、窒素を固定する作用が附与されてあるものと推定したのです。 ところが肺臓の細胞には瓦斯交換という大役....
不在地主」より 著者:小林多喜二
、特定地の貸付をうけ、五ヵ年の間にその六割以上を開墾し終る時は、その土地を無償で附与をうけ、忽ち五町歩乃至十町歩の地主となるを得、又資金十分なるものは二十町歩土....
妾宅」より 著者:永井荷風
うと》の差別が生ずるのだと、珍々先生は自己の廃頽趣味に絶対の芸術的価値と威信とを附与して、聊《いささ》か得意の感をなし、荒《すさ》みきった生涯の、せめてもの慰藉....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
と言われている。それほど宝になっている経典だから昔からこの経には宗教的な神秘性が附与され、中の意味が判らないでも、これを読誦し、書き写し、または表題の題名を唱え....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
られたる女形なり。 ○十二月、版権条例改正。脚本楽譜のたぐいも出願次第その版権を附与せられ、作者の権利はここに初めて完全に保護せらるる事となれり。 ○一月、猿若....
愛に就ての問題」より 著者:小川未明
はっきりした覚醒を齎すけれども、それがこの儘済んだら、世界の人心に対して何物をも附与しないであろう。....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
合理的であるが、猥りに将校に任命するのは同意し難い。除隊当時の能力に応ずる階級を附与すべきである。 序に現役将校の養成制度について一言する。 幼年学校生徒や....