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附加
「附加〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
附加の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
耳も聞こえませんから、何もお話しなさってはなりませぬぞ」 と、厳かな顔付をして
附加えた。 そこへ王妖順が、一人の不思議な男を案内してきた。色の褪せた古い型の....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
トナ」 「いよいよもって、甘過ぎる話じゃ」藤戸大尉は慨歎した。「俺の考えを最後に
附加えるとこうじゃ。空軍として一時に参加出来るのは六百機、乃ち我れと同数に過ぎぬ....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
旨を、詳細に且つ淀みなく述べ立てた。が、被害者に就いては、一向に見覚えがない旨を
附加えた。すると今度は、今まで助役の隣で、オーバーのポケットへ深々と両手を突込ん....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
れ端が着けられたままで残っておりました。 「……で、要するに」と保線課員が最後に
附加えました。「……つまり犯人は、軌条の外側の止木の釘と、反対側にある里程標との....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
、ふとなにかを思い出して、いまいましそうな顔をしながら、ちょっと威厳をつくろって
附加えた。 「いやしかし、いずれにしてもこの事件には、教えられるところが多々あり....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
《かんせい》のようなものをも感じたというのである。 その店員の感想にはもう一つ
附加えるべきものがあった。それは彼が手を取押えたトランクの横腹から、そのトランク....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
といいだしたことである。 そして彼はこの語に続いて小さな声で、次のような文句を
附加えたものだ。「……たとい電車の中の掏摸といえども、乗客から蟇口を掏りとったと....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
内々で、浮島をかなで読むお爺さん――浮島爺さんという渾名のあることも、また主人が
附加えた。 「その居士が、いや、もし……と、莞爾々々と声を掛けて、……あれは珍ら....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
いて、夜中にこの話をした、下塗の欣八が、 「だが、いい女らしいね。」 と、後へ
附加えた了簡が悪かった。 「欣八、気を附けねえ。」 「顔色が変だぜ。」 友達が....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の事につきても、人間の工夫発明にかかるものが甚だ多く、長き年代の間に蓄積されたる
附加物が、中心の真理を隠蔽して居る。例えばかの選ばれたる少数者――そうしたものを....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
金としてもどさねばならぬ。その上、母の将来の生活の幾分かの保証として、多少これに
附加するところなければならぬ。それは年金の中三百円乃至五百円ぐらいでよかろうと思....
「作画について」より 著者:上村松園
において南宗、北宗から円山四条派におよび、土佐や浮世絵などをもくぐって来、それに
附加して博物館とか神社仏閣の宝物什器、市井の古画屏風を漁り、それぞれの美点と思わ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
あなたにも私にも出来ませんて。 何の出来ずともの事だけれど。……」 と丹平は
附加えた。 「私、愛吉が来てからの一件。また当日お夏さんがちょいと関戸の邸のもみ....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
てるのね――」 夫人はちょっと皮肉そうに云って笑っていたが急に真面目な顔をして
附加えた。 「実をいうとね、ある女を探しているんです。サーカスにいる花形なんです....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
、運転手に五円札を渡し、 「生憎、細かいのがなくって。――」と故意と独言のように
附加えて云った。 運転手が札を手にして、雨の中を馳け出して行くのを見定めてから....