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「附箋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

附箋の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雛妓」より 著者:岡本かの子
いって実家へ帰ったという。その実家を訊きただして手紙を出してみると、移転先不明の附箋が附いて返って来た。 しかし、わたくしは決して想いを絶たなかった。あれほど....
あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
度程お手紙がありました。…… ――――― 彼は横に腹這いながら美角夫人からの附箋づきの手紙を読んでしまって、思わずも……――これは全く――……と、訳の解らな....
播州平野」より 著者:宮本百合子
何も知らずに、巣鴨宛に書いた重吉への手紙が、網走へ本人を送致したからという役所の附箋つきで戻されて来た。粗末な紙片に、にじむインクで書かれた網走という文字を見た....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
かで開封されているかどうか、まず調べて見たが、それらしい形跡は別になかった。ただ附箋が三、四枚はってあったが、それは鎌倉に宛てて書いてあったので、そこから逗子に....
あそび」より 著者:森鴎外
いる。紙切れは幾枚かを紙撚で繋いで、机の横側に掛けてあるのである。役所ではこれを附箋と云っている。 木村はゆっくり構えて、絶えずこつこつと為事をしている。その....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
もないのだから――小学校だけは卒業する方がよかろう、そんなことが書いてあった。」附箋つきで、ひろ子が住みこんでいたチャンそばやへその手紙が来たとき、彼女は「それ....
獄中生活」より 著者:堺利彦
を慰めんとて、昔話を書いた葉書を寄こされたが、それは「不得要領につき不許」という附箋がついて、出獄のときに渡された。獄中ではただ無事(或は単調)に苦しむのである....
風立ちぬ」より 著者:堀辰雄
ら註文してあったリルケの「鎮魂歌《レクヰエム》」が二三冊の本と一しょに、いろんな附箋《ふせん》がつけられて、方々へ廻送されながら、やっとの事でいま私の許《もと》....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
忙しさは、粗悪なトンネルがくずれないうちに通りぬけて置こうとするような味ですね。附箋つきのお手紙。住所が変ればこういうこともなくなるのだろう、そういう感懐をもっ....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
ばなしでしたが、しかし、七つの年までざっと数えて六度か七度、預けられた里をまるで附箋つきの葉書みたいに転々と移ってきたことだけはたしかで、放浪のならわしはその時....
生前身後の事」より 著者:中里介山
来上って来た、そこで余輩もこれを賞めて、なおその原稿に詳細な加筆削除を試みたり、附箋をしたりしてこれならばといって帰してやった、(この我輩書き入れの原稿を木村毅....
生きている戦死者」より 著者:牧逸馬
ンドリアのベラ・キス宛てに返事を出したが、この手紙は四個月後に、受取人死亡という附箋がついて聯隊から返されて来た。キスは、腹部の負傷が因で、ベルグラアドの野戦病....