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附近
「附近〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
附近の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白」より 著者:芥川竜之介
四十分《しじっぷん》、奥羽線上《おううせんのぼ》り急行列車が田端駅《たばたえき》
附近の踏切《ふみきり》を通過する際、踏切番人の過失に依《よ》り、田端一二三会社員....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
て人を頼み得た。 なるべく水の浅い道筋を選ばねばならぬ。それで自分は、天神川の
附近から高架線の上を本所停車場に出て、横川に添うて竪川の河岸通を西へ両国に至るべ....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
って市の重大なる財源の供給者となっている。 ▲交通の便利の恩恵を受けるのは市の
附近の農民で、ツイ十五六年前までは一反いくらという田や畑が宅地となって毎年五六割....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
いて見たら、前夜川から突進した道筋をずッと右に離れたとこに独立家屋があった。その
附近の畑の掘れたなかに倒れとった。夜のあけ方であったんやけど、まだ薄暗かった。あ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
んと思いますから、よしますが。 もっとも、その前日も、金子無心の使に、芝の巴町
附近|辺まで遣られましてね。出来ッこはありません。勿論、往復とも徒歩なんですから....
「橋」より 著者:池谷信三郎
下の工場で、一分間に数千枚の新聞紙を刷りだす、アルバート会社製の高速度輪転機が、
附近二十余軒の住民を、不眠性神経衰弱に陥れながら、轟々と廻転をし続けていた。 ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
れ位の小人数でしかなかったそうで、いざ戦闘となれば、何れの土地に居られましても、
附近の武人どもが、後から後から馳せ参じて忽ち大軍になったと申します。『わざわざ遠....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
す。ちょうどその夜に当ったのです。が、同じ月、同じ夜のその命日は、月が晴れても、
附近の町は、宵から戸を閉じるそうです、真白な十七人が縦横に町を通るからだと言いま....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
やっておくさ。主人公の書斎は別に一間あって、壁は一面の書棚で埋っているから、その
附近にはもちろん、白菜なぞは積んで置かれはしない。書棚には支那の書物、外国の書物....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
る。妙椿の指金で里見に縁談を申し込むようになっては愚慢の大将であるが、里見を初め
附近の城主を籠罩して城主の位置を承認せしめたは尋常草賊の智恵ではない。馬琴はとか....
「軽女」より 著者:上村松園
、――通り言葉に想像される軽女には、わたくしは親しみは持てないが、(京都二条寺町
附近)の二文字屋次郎左衛門の娘として深窓にそだち、淑やかな立居の中に京娘のゆかし....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
相な木彫とすると、どこの宮堂でも引取りません。全身の獅子を刻んで、一本松――あの
附近の神社へ納めたんです。 名家の馬が草を食いに、夜、抜出たのではない。牝獅子....
「不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
巴里の市中に残っているというその一例に属する話である。巴里に於ける官立美術学校の
附近に或る下宿屋がなる。一体の出来が面白い都会で、巴里に遊んでその古えを忍ぶとき....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
といってもそういうことを考える時、主に私の心の対象となるのは住み慣れた札幌とその
附近だ。長い冬の有る処は変化に乏しくてつまらないと人は一概にいうけれども、それは....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
作戦に重大関係がある。 十七世紀ボーバン等の大家が出て築城が発達し、各国が国境
附近に設けた要塞は運動性に乏しかった軍の行動を掣肘する事極めて大きかった。 以....